服薬管理の業務手順書テンプレート(介護事業所)
薬局から届いた薬を処方内容と照合して保管し、配薬箱にセットしてダブルチェックし、服薬介助して記録するまでの流れです。手順書にしておくと、利用者の取り違えや飲み忘れ、誤薬を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 決められた人に、決められた薬を、決められた時間に、確実に飲んでもらうための手順です。
- 範囲
- 薬の受け取りから、保管、配薬のセット、服薬介助、記録、残薬の管理、誤薬時の対応まで。
- 始まるきっかけ
- 薬局から定期の薬が届いたとき、臨時の処方が出たとき、毎回の服薬時間
- 頻度・量の目安
- 毎日・服薬時間ごと(朝・昼・夕・寝る前)
- 使う書類・システム
- 処方箋の写し・薬剤情報提供書、お薬手帳、服薬管理表、配薬箱・配薬カート
担当と役割
看護職員
処方内容の確認、配薬のセット、服薬の管理
介護職員
服薬介助と記録(医行為に当たらない範囲)
薬局(薬剤師)
調剤・一包化、服薬指導
配置医師
処方、副作用時の指示
手順(10ステップ)
- 受取看護職員・目安 1人3分
1. 届いた薬を薬剤情報提供書と照合する
利用者名・薬の名前・数・服用時点を一つずつ確認します。
- 確かめること
- 一包化の袋に利用者名と服用時点が印字されているか
- できあがるもの
- 受取確認
2. 処方の変更点を確認し、服薬管理表を更新する
中止・追加・量の変更を医師の指示と照合します。
- 確かめること
- 変更点を介護職員に申し送ったか
- できあがるもの
- 服薬管理表の更新
- 保管看護職員・目安 10分
3. 利用者ごとに分けて保管する
鍵のかかる場所に保管し、冷所保存の薬は冷蔵庫で分けます。
- 確かめること
- 他の利用者の薬と混ざらない保管か
- できあがるもの
- 保管
- セット看護職員・目安 1人3分
4. 配薬箱に1週間分などをセットする
服用時点ごとに区切られた配薬箱に、利用者名を確認しながら入れます。
- 確かめること
- セットした人の名前と日付を記録したか
- できあがるもの
- 配薬箱のセット
- 確認看護職員・目安 1人1分
5. 別の職員がセット内容をダブルチェックする
服薬管理表と配薬箱を照合します。
- 確かめること
- 2人目が実際に照合したか(サインだけでないか)
- できあがるもの
- ダブルチェックの記録
- 介助介護職員・目安 1人30秒
6. 服薬前に、利用者名・日付・服用時点を声に出して確認する
利用者に名前を言ってもらい、袋の印字と照合します。
- 確かめること
- 本人確認を名前の呼びかけだけで済ませていないか
- できあがるもの
- 本人確認
- 介助介護職員・目安 1人1分
7. 飲み込みを確認し、服薬管理表に記録する
口の中に残っていないかを確認してから記録します。
- 確かめること
- 落薬・拒薬があった場合に看護職員に報告したか
- できあがるもの
- 服薬記録
- 拒薬看護職員・目安 10分
8. 拒薬・落薬・吐き出しがあれば医師に報告し指示を受ける
再投与の可否は医師に確認します。
- 確かめること
- 自己判断で再投与していないか
- できあがるもの
- 報告と指示の記録
- 誤薬看護職員・目安 即時
9. 誤薬が起きたら、すぐ医師に報告し、状態を観察する
飲んだ薬の名前と量、時刻を伝え、指示に従います。事故報告の手順に回します。
- 確かめること
- 家族への連絡と事故報告をしたか
- できあがるもの
- 誤薬の対応記録
10. 残薬と使用期限を定期的に確認する
中止になった薬は家族の同意を得て返却・廃棄します。
- 確かめること
- 期限切れの薬が残っていないか
- できあがるもの
- 残薬の確認記録
締めのチェックリスト
- 届いた薬を薬剤情報提供書と照合したか
- 処方の変更点を申し送ったか
- 利用者ごとに分けて保管したか
- 冷所保存の薬を分けたか
- セットを別の職員がダブルチェックしたか
- 服薬前に本人確認したか
- 飲み込みを確認したか
- 拒薬・落薬を報告したか
- 誤薬時に医師へ報告したか
- 残薬と期限を確認したか
よくあるミスと防ぎ方
利用者の取り違え
似た名前や、席を移動した利用者で起きやすいです。袋の名前を利用者に読み上げてもらうなど、本人確認の方法を決めます。
形だけのダブルチェック
2人目がサインだけすると意味がありません。服薬管理表と実物を照合する手順にします。
処方変更の伝達漏れ
中止になった薬を飲ませ続けることがあります。変更点を申し送りと服薬管理表の両方に残します。
測っておきたい指標
- 誤薬件数
- ダブルチェックの実施率
- 残薬の廃棄量
関係する法令・規格
医師法17条の解釈について(2005年7月26日 医政局長通知)
一定の条件(容態が安定している等)のもとで、一包化された内用薬の服用の介助、軟膏の塗布(褥瘡の処置を除く)、点眼、湿布の貼付などは医行為に当たらないとされ、介護職員が行えます。
医薬品医療機器等法(薬機法)
薬の保管・管理は添付文書の保存方法に従います。
介護保険施設の運営基準
施設は医薬品の管理を適正に行います。服薬の記録はサービス提供の記録として保存します。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(医療・介護・12業務)
- 「服薬管理」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち2つは、自動化の候補です
よくある質問
- 介護職員は薬を飲ませてよいですか
- 容態が安定している利用者に、一包化された内用薬を飲む介助をすることなどは、医行為に当たらないとされています。条件と範囲は厚生労働省の通知で確認します。
- ダブルチェックはどのタイミングで行いますか
- 配薬箱へのセット時と、服薬直前の本人確認の2回が基本です。
- 服薬の記録を楽にするには
- 服薬管理表をタブレットで記録し、飲み忘れや拒薬を自動で一覧にする仕組みをジンベイ GenAppで作れます。