賞与支払届の業務手順書テンプレート(業種共通)
賞与を支払ったら、支給日から5日以内に賞与支払届を出し、保険料を控除します。手順書にしておくと、届出の遅れや上限額の計算ミスを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 賞与にかかる社会保険料を正しく計算し、届出を期限内に行うことを目的にします。
- 範囲
- 賞与の支給額の確定から、標準賞与額の計算、保険料と所得税の控除、届出、記録まで。
- 始まるきっかけ
- 賞与(夏・冬・決算賞与など)を支給したとき
- 頻度・量の目安
- 年1〜3回
- 使う書類・システム
- 賞与の支給一覧、賃金台帳、前月の給与額(所得税の計算用)、年度内の標準賞与額の累計
担当と役割
給与担当
計算・控除・届出
人事担当
支給額の確定と対象者の一覧
経理責任者
支給総額の確認
手順(10ステップ)
- 準備給与担当・目安 15分
1. 支給日の1か月前に、支給日・対象期間・計算の基準を人事担当と確認する
賞与の支払予定月を年金事務所に登録している場合は、その月に届出が必要になる。
- 確かめること
- 支給日を確認したか
- できあがるもの
- スケジュール
- 確定人事担当・目安 30分
2. 賞与の支給対象者と支給額の一覧を給与担当に渡す
支給日在籍などの支給要件を就業規則で確認する。
- 確かめること
- 支給要件どおりの対象者か
- できあがるもの
- 支給一覧
3. 標準賞与額(1,000円未満切り捨て)を求める
健康保険は年度(4月〜翌3月)の累計573万円、厚生年金は1回150万円が上限。
- 確かめること
- 上限を超える人の扱いを確認したか
- できあがるもの
- 標準賞与額
- 控除給与担当・目安 20分
4. 健康保険・介護保険・厚生年金・雇用保険の保険料を計算する
雇用保険は標準賞与額ではなく実際の支給額に料率をかける。
- 確かめること
- 雇用保険の計算の元が支給額か
- できあがるもの
- 保険料
- 控除給与担当・目安 20分
5. 所得税を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」で計算する
前月の給与(社会保険料控除後)と扶養人数で率を決める。前月の給与が賞与の10倍を超える場合などは計算方法が違う。
- 確かめること
- 前月の給与額を使ったか
- できあがるもの
- 所得税額
- 確認経理責任者・目安 15分
6. 支給総額・控除額・差引支給額を確認する
計算した人とは別の人が確認する。
- 確かめること
- 総額が支給一覧と一致するか
- できあがるもの
- 承認記録
7. 振込データを作り支給日に振り込み、賞与明細を配る
給与と同じ承認の流れにする。
- 確かめること
- 振込額が差引支給額と一致するか
- できあがるもの
- 振込記録・明細
8. 支給日から5日以内に賞与支払届を年金事務所(健康保険組合)に出す
電子申請(e-Gov)が便利。
- 確かめること
- 支給日から5日以内か
- できあがるもの
- 賞与支払届の控え
9. 賃金台帳に賞与を記録し、年度の標準賞与額の累計を更新する
次の賞与で健康保険の上限を判定するときに使う。
- 確かめること
- 累計を更新したか
- できあがるもの
- 賃金台帳・累計表
- 通知給与担当・目安 —
10. 賞与明細で支給額と控除の内訳を本人に知らせ、問い合わせに答える
前回の賞与と控除額が大きく違う人は理由を説明できるようにしておく。
- 確かめること
- 問い合わせに答えたか
- できあがるもの
- 問い合わせ記録
締めのチェックリスト
- 支給要件どおりの対象者である
- 標準賞与額を1,000円未満切り捨てで求めた
- 健康保険・厚生年金の上限を確認した
- 雇用保険を実際の支給額で計算した
- 前月の給与額で所得税の率を決めた
- 計算者と別の人が確認した
- 5日以内に賞与支払届を出した
- 標準賞与額の累計を更新した
よくあるミスと防ぎ方
雇用保険料を標準賞与額で計算する
雇用保険は実際の支給額に料率をかけます。社会保険と同じ元で計算しないようにします。
健康保険の年度累計の上限を見落とす
累計573万円を超えた部分には保険料がかかりません。年度の累計表を賞与のたびに更新します。
届出が遅れる
支給日から5日以内です。支給日の翌営業日に届出を作る予定にしておきます。
測っておきたい指標
- 届出の期限内完了
- 計算ミスの件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
賞与を支払った日から5日以内に届出
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「賞与支払届」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち4つは、自動化の候補です
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順3:標準賞与額(1,000円未満切り捨て)を求める
- 手順7:振込データを作り支給日に振り込み、賞与明細を配る
- 手順8:支給日から5日以内に賞与支払届を年金事務所(健康保険組合)に出す
よくある質問
- 賞与を払わなかった場合も届出は必要ですか?
- 賞与の支払予定月を登録している場合、日本年金機構から届く用紙で「不支給報告書」を出します。
- 産休・育休中の人の賞与は?
- 要件を満たす場合(育児休業は、賞与を払った月の末日を含んで連続1か月を超えて取っている場合など)は保険料が免除されますが、賞与支払届の提出は必要です。
- 決算賞与も対象ですか?
- 年3回以下の支給であれば賞与として届け出ます。年4回以上の場合は報酬として扱います。