健康診断の実施管理の業務手順書テンプレート(業種共通)
年1回の定期健康診断と雇入時健康診断を実施し、結果を確認して、異常のある人について医師の意見を聞き、必要な措置をとります。手順書にしておくと、未受診者の放置や事後措置の漏れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 全員に健康診断を受けてもらい、結果に応じた措置まで確実に行うことを目的にします。
- 範囲
- 対象者の抽出から、受診の案内、未受診者の促し、結果の確認、医師の意見聴取、就業上の措置、個人票の保存、労働基準監督署への報告まで。
- 始まるきっかけ
- 年間計画で決めた実施時期の2か月前、および雇い入れのとき
- 頻度・量の目安
- 年1回(深夜業など特定業務の人は6か月ごと)・従業員全員
- 使う書類・システム
- 健康診断の年間計画、対象者の一覧、健診機関との契約、健康診断個人票、健康診断結果の管理台帳
担当と役割
人事担当(衛生管理者)
計画・案内・結果管理・報告
産業医
結果に基づく意見、保健指導
上長
受診のための業務調整、就業上の措置の実施
社員
受診と結果の提出
手順(11ステップ)
1. 実施時期の2か月前に対象者を抽出する
常時使用する人(パートは週の所定労働時間が正社員の4分の3以上など)が対象。深夜業など特定業務の人は6か月ごと。
- 確かめること
- 特定業務の人を区別したか
- できあがるもの
- 対象者の一覧
2. 健診機関と日程を決め、対象者に受診日と場所を案内する
巡回健診か医療機関での個別受診かを決める。
- 確かめること
- 全員に案内したか
- できあがるもの
- 受診の案内
- 調整上長・目安 —
3. 部下が受診できるよう業務を調整する
受診時間の賃金の扱いは就業規則で決めておく。
- 確かめること
- 受診日の業務の手当てをしたか
- できあがるもの
- 業務調整
4. 受診期限を過ぎた未受診者に連絡し、上長にも伝える
2回目の連絡でも受診しない人は面談する。
- 確かめること
- 未受診者が0になったか
- できあがるもの
- 未受診者の一覧
5. 結果を受け取り、本人に通知する
受け取った結果は遅れなく本人に知らせる。
- 確かめること
- 全員に通知したか
- できあがるもの
- 通知記録
6. 有所見者(要再検査・要精密検査・要治療)を一覧にする
再検査を受けたかどうかも記録する。
- 確かめること
- 有所見者の一覧があるか
- できあがるもの
- 有所見者の一覧
- 意見産業医・目安 産業医の作業
7. 有所見者について、健診日から3か月以内に就業上の措置の意見を述べる
通常勤務・就業制限・休業のいずれかで意見をもらう。
- 確かめること
- 3か月以内に意見をもらったか
- できあがるもの
- 医師の意見の記録
- 措置上長・人事担当・目安 1名30分
8. 医師の意見に基づき、作業の転換や労働時間の短縮などの措置をとる
本人の意見も聞いてから決める。
- 確かめること
- 措置の内容を記録したか
- できあがるもの
- 措置の記録
- 指導産業医・目安 産業医の作業
9. 必要な人に保健指導を行う
生活習慣の改善などを本人に助言する。
- 確かめること
- 保健指導の記録があるか
- できあがるもの
- 保健指導の記録
10. 常時50人以上の事業場は、定期健康診断結果報告書を労働基準監督署に提出する
2025年1月から電子申請が原則になっている。
- 確かめること
- 提出したか
- できあがるもの
- 報告書の控え
- 保存人事担当・目安 15分
11. 健康診断個人票を5年間保存する
健康情報は個人情報の中でも慎重に扱い、閲覧できる人を限定する。
- 確かめること
- 保存場所と閲覧者を決めたか
- できあがるもの
- 保存記録
締めのチェックリスト
- 対象者と特定業務の人を抽出した
- 全員に受診を案内した
- 未受診者が0になった
- 結果を本人に通知した
- 有所見者を一覧にした
- 3か月以内に医師の意見を聞いた
- 就業上の措置を記録した
- 50人以上の事業場は報告書を出した
- 個人票を5年保存している
- 閲覧できる人を限定した
よくあるミスと防ぎ方
未受診者を放置する
受診させるのは会社の義務です。期限後の連絡と上長への共有をルールにします。
医師の意見聴取をしていない
結果を配って終わりにしがちです。有所見者の一覧を産業医に渡す日を年間計画に入れます。
健康情報を多くの人が見られる
健診結果は要配慮個人情報です。保存先のアクセス権を人事の担当者だけにします。
測っておきたい指標
- 受診率
- 有所見者の再検査受診率
- 医師の意見聴取の実施率
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
健康診断の実施、医師の意見聴取、就業上の措置、結果の通知
雇入時・定期・特定業務従事者の健康診断、個人票の5年保存、50人以上の報告
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「健康診断の実施管理」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち6つは、自動化の候補です
ジンベイ GenApp
台帳・申請・承認の仕組み化
- 手順1:実施時期の2か月前に対象者を抽出する
- 手順4:受診期限を過ぎた未受診者に連絡し、上長にも伝える
- 手順6:有所見者(要再検査・要精密検査・要治療)を一覧にする
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順2:健診機関と日程を決め、対象者に受診日と場所を案内する
- 手順10:常時50人以上の事業場は、定期健康診断結果報告書を労働基準監督署に提出する
よくある質問
- 健康診断の費用は誰が負担しますか?
- 法律で実施が義務づけられた健康診断の費用は、会社が負担するものとされています。
- パートも対象ですか?
- 1年以上の雇用見込みがあり、週の所定労働時間が正社員の4分の3以上の人は対象です。
- 本人が自分で受けた健診の結果でもよいですか?
- 必要な項目がそろっていれば、その結果を提出してもらう方法も認められています。