文書の保存と廃棄の業務手順書テンプレート(業種共通)
書類ごとに決めた保存期間を過ぎたものを抽出し、承認を受けて、溶解や裁断で廃棄し、記録を残します。手順書にしておくと、保存期間中の書類を捨てる、個人情報を一般ごみに出す、といった事故を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 必要な書類を必要な期間だけ保存し、期間を過ぎたものを安全に廃棄することを目的にします。
- 範囲
- 保存期間の設定から、廃棄対象の抽出、承認、廃棄(紙・電子)、記録まで。
- 始まるきっかけ
- 毎年の決められた時期(例: 決算後・年度初め)
- 頻度・量の目安
- 年1回の一斉廃棄・随時の少量廃棄
- 使う書類・システム
- 文書保存期間表、保存箱の一覧(書庫台帳)、廃棄申請書、溶解・裁断業者の証明書
担当と役割
各部署の文書管理担当
保存箱の管理、廃棄対象の抽出
総務担当
保存期間表の管理、廃棄の手配、記録
部署長
廃棄の承認
手順(10ステップ)
- 期間表総務担当・目安 初回2時間
1. 書類ごとの保存期間を一覧にした文書保存期間表を作り、毎年見直す
帳簿・証憑(7年、欠損金の年は10年)、労働者名簿・賃金台帳・出勤簿(5年・当分の間3年)、健康診断個人票(5年)など法定の期間を下回らないようにする。
- 確かめること
- 法定の保存期間を確認したか
- できあがるもの
- 文書保存期間表
2. 書類を保存箱に入れるとき、箱に書類名・年度・廃棄予定年を書き、書庫台帳に登録する
保存期間が違う書類を同じ箱に入れない。
- 確かめること
- 廃棄予定年を書いたか
- できあがるもの
- 保存箱と台帳
3. 毎年決まった時期に、書庫台帳から廃棄予定年を迎えた箱を抽出する
税務調査中・訴訟中・監査中の書類は廃棄しない。
- 確かめること
- 保留すべき書類がないか確認したか
- できあがるもの
- 廃棄対象の一覧
- 確認総務担当・目安 15分
4. 廃棄対象の一覧を経理・法務に回し、保留すべき書類がないか確認してもらう
税務調査の予定や訴訟の可能性は総務だけではわからない。
- 確かめること
- 確認の回答があったか
- できあがるもの
- 確認記録
5. 廃棄申請書に箱の番号・書類名・年度を書き、部署長の承認を受ける
中身を開けて、期間の違う書類が混じっていないか確認する。
- 確かめること
- 中身を確認したか
- できあがるもの
- 廃棄申請書
- 廃棄総務担当・目安 —
6. 個人情報や機密を含む紙は、溶解・裁断の業者に依頼するか社内のシュレッダーで裁断する
業者に頼む場合は、溶解証明書などの処理を証明する書類を受け取る。
- 確かめること
- 一般ごみに出していないか
- できあがるもの
- 廃棄済みの書類
- 電子総務担当・目安 —
7. 電子データの廃棄は、保存期間を確認したうえで削除し、PC・記録媒体は復元できない方法で消去する
記録媒体を業者に出す場合は消去証明書を受け取る。
- 確かめること
- 消去の証明があるか
- できあがるもの
- 消去記録
- 立会総務担当・目安 30分
8. 溶解業者に依頼する場合は、搬出時に箱の数を数え、可能なら処理に立ち会うか処理の写真をもらう
搬出から処理までの間の紛失を防ぐ。
- 確かめること
- 箱の数が一致するか
- できあがるもの
- 搬出記録
9. 廃棄日・廃棄した書類・方法・証明書の番号を廃棄記録に残し、書庫台帳を「廃棄済み」にする
廃棄記録は書類より長く保存する。
- 確かめること
- 台帳を更新したか
- できあがるもの
- 廃棄記録
- 見直し総務担当・目安 1時間
10. 保存期間を過ぎていない箱が多い部署・期間の長すぎる書類を見直す
電子化して紙を減らす対象も検討する。
- 確かめること
- 見直しの結果を期間表に反映したか
- できあがるもの
- 見直しの記録
締めのチェックリスト
- 文書保存期間表を最新にした
- 法定の保存期間を下回っていない
- 保存箱に廃棄予定年を書いた
- 廃棄予定年を迎えた箱を抽出した
- 調査中・訴訟中の書類を除いた
- 部署長の承認を受けた
- 個人情報を一般ごみに出していない
- 業者の処理証明を受け取った
- 書庫台帳を廃棄済みにした
よくあるミスと防ぎ方
保存期間の違う書類を同じ箱に入れる
短い期間に合わせて捨てると、長く保存すべき書類も失います。箱は保存期間ごとに分けます。
個人情報を一般ごみに出す
漏えい事故になります。個人情報を含む紙はすべて溶解か裁断にします。
税務調査中の書類を廃棄する
調査や訴訟に関係する書類は期間を過ぎても保留します。抽出時に法務・経理に確認します。
測っておきたい指標
- 廃棄予定年を過ぎて残っている箱の数
- 書庫の使用量
- 廃棄記録の不備件数
関係する法令・規格
個人データの漏えい・滅失を防ぐための措置をとる
帳簿・証憑は原則7年保存
労働者名簿・賃金台帳・出勤簿などは5年(当分の間3年)保存
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「文書の保存と廃棄」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち4つは、自動化の候補です
ジンベイ GenApp
台帳・申請・承認の仕組み化
- 手順2:書類を保存箱に入れるとき、箱に書類名・年度・廃棄予定年を書き、書庫台帳に登録する
- 手順3:毎年決まった時期に、書庫台帳から廃棄予定年を迎えた箱を抽出する
- 手順5:廃棄申請書に箱の番号・書類名・年度を書き、部署長の承認を受ける
- 手順9:廃棄日・廃棄した書類・方法・証明書の番号を廃棄記録に残し、書庫台帳を「廃棄済み」にする
よくある質問
- 保存期間がわからない書類は?
- 法令で決まっていない書類は、社内で期間を決めて期間表に載せます。迷う場合は長めにします。
- シュレッダーでの裁断で十分ですか?
- 細かく裁断できる機器なら社内での廃棄も可能です。大量の場合は溶解業者に依頼し、証明書を受け取ると記録が残せます。
- PCを廃棄するときは?
- データ消去ソフトや物理的な破壊で復元できないようにします。業者に依頼する場合は消去証明書を受け取ります。