保険の解約・クーリング・オフの受付の業務手順書テンプレート(保険代理店)
契約者から解約やクーリング・オフの申し出を受け、本人の意思と理由を確かめ、解約で失うものを説明して、保険会社に手続きを取り次ぎ、結果を確かめるまでの流れです。手順書にしておくと、クーリング・オフの期間の誤解や、解約の引き止めによる苦情、手続きの遅れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 契約者の意思を尊重し、必要な説明をしたうえで、解約の手続きを早く正しく進めるための手順です。
- 範囲
- 申し出の受付から、本人確認、説明、手続き書類の案内、保険会社への取次ぎ、返戻金・返金の確認、記録まで。
- 始まるきっかけ
- 契約者から電話・来店・書面で解約やクーリング・オフの申し出があったとき
- 頻度・量の目安
- 随時・代理店で月数件〜数十件
- 使う書類・システム
- 保険証券・契約内容、解約請求書(保険会社の書式)、クーリング・オフの案内(契約概要・ご契約のしおり)、解約受付記録
担当と役割
代理店の受付担当
申し出の受付、本人確認、書類の案内
保険募集人
解約で失う保障や代わりの方法の説明
代理店の管理責任者
クーリング・オフや苦情を伴う申し出の確認
保険会社
解約・クーリング・オフの処理、返戻金・保険料の返還
手順(10ステップ)
1. 申し出の内容を聞き、記録する
契約者名、証券番号、解約かクーリング・オフか、理由、連絡先を記録します。
- 確かめること
- 申し出た人が契約者本人か
- できあがるもの
- 解約受付記録
- 判断代理店の受付担当・目安 5分
2. クーリング・オフができる期間と対象かを確かめる
申込日または書面を受け取った日の遅い方から8日以内か、対象外の契約(保険期間1年以内、法人の契約、医師の診査後など)でないかを確認します。
- 確かめること
- 期間の計算の起算日を正しく確かめたか
- できあがるもの
- クーリング・オフの判断
- 案内代理店の受付担当・目安 5分
3. クーリング・オフは、契約者が保険会社に書面または電磁的方法で直接通知できることを案内する
保険会社の宛先と、通知に書く事項を伝えます。代理店に伝えただけでは効力が生じないことも説明します。
- 確かめること
- 保険会社の宛先を正しく伝えたか
- できあがるもの
- 案内の記録
- 説明保険募集人・目安 15分
4. 解約の場合、解約で失う保障と返戻金を説明する
解約返戻金の額、保障がなくなること、年齢が上がって入り直すと保険料が上がること、払済保険・減額などの方法があることを伝えます。
- 確かめること
- 説明が引き止めの押しつけになっていないか
- できあがるもの
- 説明の記録
- 確認保険募集人・目安 5分
5. 契約者の最終的な意思を確かめる
説明を受けたうえで解約するかを確認します。
- 確かめること
- 意思を確認した日時を記録したか
- できあがるもの
- 意思確認の記録
- 書類代理店の受付担当・目安 10分
6. 保険会社の解約請求書を案内・送付する
記入方法、本人確認書類、返戻金の振込口座を案内します。
- 確かめること
- 受取口座の名義が契約者本人か
- できあがるもの
- 解約請求書の送付記録
7. 届いた書類を確かめ、保険会社に送る
署名・口座・本人確認書類を確かめて送ります。
- 確かめること
- 受け取った日のうちに送ったか
- できあがるもの
- 送付記録
- 苦情代理店の管理責任者・目安 随時
8. 不満を伴う申し出は苦情として扱い、保険会社に報告する
説明不足や募集時の問題の申し出であれば、苦情対応の手順で調べます。
- 確かめること
- 苦情の記録と報告をしたか
- できあがるもの
- 苦情記録
9. 保険会社の処理結果と返戻金・返金の入金を確かめる
契約者に入金予定を伝えます。
- 確かめること
- 処理の遅れがないか
- できあがるもの
- 結果の記録
10. 解約の理由を集計し、募集の改善に使う
早期解約やクーリング・オフの理由を分析します。
- 確かめること
- 募集人ごとに偏りがないか
- できあがるもの
- 解約理由の集計
締めのチェックリスト
- 契約者本人の申し出か
- クーリング・オフの起算日を確かめたか
- 対象外の契約でないか確かめたか
- 保険会社への直接の通知を案内したか
- 解約で失う保障を説明したか
- 引き止めの押しつけをしていないか
- 最終の意思を確認したか
- 受取口座の名義を確かめたか
- 当日中に保険会社に送ったか
- 解約理由を集計したか
よくあるミスと防ぎ方
クーリング・オフの起算日の誤り
申込日だけで数えて、期間が過ぎたと誤って伝えることがあります。書面を受け取った日と比べて遅い方から数えます。
しつこい引き止め
説明が長く押しつけになると苦情につながります。説明すべきことを決め、意思を尊重します。
取次ぎの遅れ
代理店で書類を止めると、解約日や返戻金に影響します。受け取った日に送ります。
測っておきたい指標
- 受付から保険会社への取次ぎまでの日数
- 早期解約率
- 解約に関する苦情件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
保険業法309条(保険契約の申込みの撤回等)
申込者は、書面を受け取った日と申込日の遅い方から8日以内であれば、書面または電磁的方法で申込みの撤回・契約の解除ができます。保険期間が1年以内の契約、法人の契約、医師の診査を受けた後などは対象外です。
保険業法(苦情処理)
代理店は契約者からの苦情を記録し、所属保険会社に報告します。
保険業法300条(禁止行為)
契約者に不利益となる事実を告げずに既存契約を解約させて新しい契約に乗り換えさせることなどは禁止されています。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(金融・保険・12業務)
- 「保険の解約・クーリング・オフの受付」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち4つは、自動化の候補です
ジンベイ GenApp
台帳・申請・承認の仕組み化
- 手順1:申し出の内容を聞き、記録する
- 手順9:保険会社の処理結果と返戻金・返金の入金を確かめる
- 手順10:解約の理由を集計し、募集の改善に使う
よくある質問
- クーリング・オフは代理店に言えば成立しますか
- クーリング・オフは保険会社に書面または電磁的方法で通知したときに効力が生じます。代理店は保険会社の宛先を案内します。
- 解約するとお金は戻りますか
- 解約返戻金がある商品なら戻りますが、契約からの期間が短いと払い込んだ保険料より少ないことが多いです。返戻金がない商品もあります。
- 解約の受付を楽にするには
- 解約の受付から保険会社への取次ぎ、結果の確認までをジンベイ GenAppの台帳で管理すると、処理の遅れと記録漏れを防げます。