反社会的勢力のチェックの業務手順書テンプレート(金融機関)
新しく取引を始める顧客や取引先を、社内データベースや外部の情報で照会し、暴力団排除条項を契約に入れ、該当の疑いがあれば警察などに相談して対応を決め、既存の顧客も定期的に確認するまでの流れです。手順書にしておくと、照会漏れや、該当した場合の対応のばらつきを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 反社会的勢力との取引を始めない・続けないための手順です。
- 範囲
- 新規取引の照会から、契約への暴排条項の挿入、該当の疑いがある場合の対応、既存顧客の定期チェック、記録まで。
- 始まるきっかけ
- 口座開設・融資・契約などで新しく取引を始めるとき、既存の顧客の定期確認の時期が来たとき
- 頻度・量の目安
- 毎日(新規)、年1回など(既存の顧客)
- 使う書類・システム
- 反社データベース(社内・業界団体の情報)、警察への照会結果、暴力団排除条項を入れた契約書・約款、反社チェックの記録台帳
担当と役割
営業店担当
照会の依頼、暴排条項の説明
反社対応部署
照会、該当の判断、警察・弁護士への相談
役席者・責任者
取引の可否の判断
経営陣
重大な案件の判断
手順(10ステップ)
1. 新しい顧客の情報で照会を依頼する
氏名(法人名)、生年月日、住所を正確に入力します。法人は代表者・役員・実質的支配者も対象にします。
- 確かめること
- 漢字・カナ・旧姓など表記の揺れも照会したか
- できあがるもの
- 照会依頼
2. 社内データベースと外部の情報で照会する
社内のデータベース、業界団体の情報、報道記事の検索などを組み合わせます。
- 確かめること
- 照会した情報源と日付を記録したか
- できあがるもの
- 照会結果
- 判断反社対応部署・目安 30分
3. 一致・類似があれば、同一人物かを確かめる
生年月日・住所などで同一人物かを確認します。
- 確かめること
- 同姓同名を誤って該当と判断していないか
- できあがるもの
- 同一性の確認記録
- 相談反社対応部署・目安 随時
4. 該当の疑いが強い場合、警察・暴力追放運動推進センター・弁護士に相談する
照会の制度がある場合は警察の情報も確認します。
- 確かめること
- 担当者一人で判断していないか
- できあがるもの
- 相談記録
5. 取引の可否を決める
該当と判断した場合は取引を始めません。断る理由は具体的に言わず、総合的な判断である旨を伝えます。
- 確かめること
- 判断を組織として記録したか
- できあがるもの
- 取引可否の判断記録
- 契約営業店担当・目安 5分
6. 契約書・約款に暴力団排除条項があることを確かめ、表明・確約を受ける
反社会的勢力でないことの表明・確約の欄に署名をもらいます。
- 確かめること
- 表明・確約の署名があるか
- できあがるもの
- 署名済み契約書
7. 照会の結果を記録台帳に残す
照会日・対象・結果・判断者・次回の確認日を記録します。
- 確かめること
- 次回の確認日を入れたか
- できあがるもの
- 反社チェックの記録台帳
8. 既存の顧客を定期的に照会する
データベースの更新にあわせて、既存の顧客を一括で照会します。
- 確かめること
- 照会対象から漏れている顧客がいないか
- できあがるもの
- 定期照会の結果
- 解消経営陣・目安 随時
9. 取引後に該当が判明した場合、暴排条項に基づき関係の解消を検討する
警察・弁護士と相談し、職員の安全を確保したうえで進めます。
- 確かめること
- 対応を一人で行わせていないか
- できあがるもの
- 解消の方針と記録
- 不当要求反社対応部署・目安 随時
10. 不当な要求を受けたら、組織で対応し、警察に相談する
複数人で対応し、記録・録音を残します。
- 確かめること
- 安易に要求に応じていないか
- できあがるもの
- 対応記録
締めのチェックリスト
- 代表者・役員・実質的支配者まで照会したか
- 表記の揺れを照会したか
- 照会した情報源と日付を記録したか
- 同姓同名を確認したか
- 疑いがある場合に外部に相談したか
- 組織として判断したか
- 暴排条項の表明・確約を受けたか
- 台帳に次回の確認日を入れたか
- 既存顧客を定期照会したか
- 不当要求に組織で対応したか
よくあるミスと防ぎ方
代表者だけの照会
役員や実質的支配者を照会しないと、関係者を見落とします。照会の対象を手順書で決めます。
記録を残さない
照会の結果を残さないと、後から説明できません。情報源と日付を台帳に記録します。
現場で一人で対応
該当の疑いがある顧客への対応を担当者一人に任せると危険です。組織として対応します。
測っておきたい指標
- 照会の実施率(新規・既存)
- 照会から判断までの時間
- 定期照会の対象件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
企業が反社会的勢力による被害を防止するための指針(2007年 政府)
反社会的勢力とは取引を含めた一切の関係を遮断し、組織として対応し、外部の専門機関と連携することが求められています。
金融庁の監督指針
金融機関に、反社会的勢力との関係遮断のための体制整備(データベースの構築、事前審査、事後検証、暴排条項)を求めています。
暴力団排除条例(各都道府県)
事業者は契約時に相手方が暴力団関係者でないことを確認するよう努め、暴排条項を契約に入れるよう努めることなどが定められています。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(金融・保険・12業務)
- 「反社会的勢力のチェック」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち5つは、自動化の候補です
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順1:新しい顧客の情報で照会を依頼する
- 手順2:社内データベースと外部の情報で照会する
- 手順8:既存の顧客を定期的に照会する
よくある質問
- どこまでを照会の対象にしますか
- 個人は本人、法人は法人名と代表者・役員・実質的支配者を対象にするのが一般的です。取引のリスクに応じて範囲を決めます。
- 断るときに理由を伝えるべきですか
- 具体的な理由は伝えず、総合的な判断によるものとして断るのが一般的です。トラブルが予想される場合は事前に警察や弁護士に相談します。
- 既存顧客の定期チェックを楽にするには
- 顧客の一覧で一括照会し、結果を台帳に自動で記録する作業をジンベイ GenRPAで自動化できます。