保険契約の申込手続の業務手順書テンプレート(保険代理店)
顧客の意向を把握して商品を提案し、契約概要と注意喚起情報を説明して、告知を本人から受け、申込書を点検して保険会社に送るまでの流れです。手順書にしておくと、意向把握の記録漏れや告知の不備、申込書の差し戻しを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 保険業法に沿って、顧客の意向に合った契約を、正しい手続きで申し込むための手順です。
- 範囲
- 顧客との面談から、意向把握、提案、重要事項の説明、告知、申込み、点検、送付、成立の確認まで。
- 始まるきっかけ
- 顧客から保険の相談があったとき、既存契約の見直しの面談をするとき
- 頻度・量の目安
- 随時・募集人1人あたり月数件〜数十件
- 使う書類・システム
- 意向把握シート(顧客カード)、パンフレット・設計書、契約概要・注意喚起情報、申込書・告知書、比較推奨の記録(乗合代理店)
担当と役割
保険募集人
意向把握、提案、説明、申込みの受付
代理店の点検担当
申込書類の点検
代理店の管理責任者
高齢者の契約の確認、募集品質の管理
保険会社
引受けの審査
手順(10ステップ)
1. 顧客の意向を聞き、意向把握シートに記録する
保障の目的(死亡・医療・老後など)、保険料の予算、保障の期間、重視する点を聞きます。
- 確かめること
- 最初の意向と最終の意向を比べられるよう記録したか
- できあがるもの
- 意向把握シート
- 提案保険募集人・目安 30分
2. 意向に合った商品を提案する
乗合代理店では、比較できる商品の範囲と、推奨する理由を説明します。
- 確かめること
- 推奨の理由を記録したか
- できあがるもの
- 提案書・比較推奨の記録
- 高齢者保険募集人・目安 ―
3. 高齢の顧客の場合、家族の同席や複数回の面談を行う
社内基準(例: 70歳以上)に当たる場合、理解の状況を確認しながら進めます。
- 確かめること
- 社内基準の対応(同席・複数回・管理者の確認)を行ったか
- できあがるもの
- 高齢者対応の記録
- 説明保険募集人・目安 20分
4. 契約概要と注意喚起情報を説明し、交付する
保障の内容、保険料、解約返戻金、免責事由、クーリング・オフ、告知義務を説明します。
- 確かめること
- 説明した書面の交付を記録したか
- できあがるもの
- 交付の記録
- 確認保険募集人・目安 10分
5. 最終の意向と申込内容が合っているか顧客と確かめる
最初の意向と違う場合は、違いと理由を記録します。
- 確かめること
- 意向確認書に顧客の確認があるか
- できあがるもの
- 意向確認書
- 告知保険募集人・目安 10分
6. 告知書は被保険者本人に記入してもらう
告知の内容について、事実を告げないよう勧めたり、告知を妨げたりしません。
- 確かめること
- 本人が記入したか、募集人が代わりに書いていないか
- できあがるもの
- 告知書
- 申込保険募集人・目安 15分
7. 申込書に記入・署名してもらい、本人確認をする
契約者・被保険者・受取人の情報と署名を確認します。
- 確かめること
- 受取人の続柄と、保険会社の基準に合っているか
- できあがるもの
- 申込書
8. 申込書類を点検する
記入漏れ、訂正の方法、署名、添付書類(本人確認書類の写し)を確認します。
- 確かめること
- 申込日・意向把握日・説明日の順序が正しいか
- できあがるもの
- 点検記録
9. 保険会社に申込書類を送る
決められた期限内に送り、送付日を記録します。
- 確かめること
- 送付の期限を守ったか
- できあがるもの
- 送付記録
10. 成立を確かめ、保険証券の到着を顧客に確認する
引受けの条件(条件付き・謝絶)があれば顧客に説明します。
- 確かめること
- 成立の結果を顧客に伝えたか
- できあがるもの
- 成立の記録
締めのチェックリスト
- 意向を記録したか
- 比較推奨の理由を記録したか(乗合代理店)
- 高齢者の対応を行ったか
- 契約概要・注意喚起情報を交付したか
- 最終の意向と申込内容を確かめたか
- 告知を本人が記入したか
- 受取人を確認したか
- 申込書類を点検したか
- 期限内に送付したか
- 成立を顧客に伝えたか
よくあるミスと防ぎ方
意向把握の記録が後付け
申込みの後に意向把握シートを書くと、記録として意味がありません。最初の面談で記録し、日付を残します。
告知への関与
「書かなくて大丈夫」と言うことは告知妨害として禁止されています。告知は本人に任せます。
申込書の不備による差し戻し
訂正の方法や署名の漏れで差し戻され、成立が遅れます。点検を送付前の必須手順にします。
測っておきたい指標
- 申込書の差し戻し率
- 申込みから成立までの日数
- 早期解約率
関係する法令・規格
保険業法294条の2(意向把握義務)
保険募集人は、顧客の意向を把握し、意向に沿った商品を提案し、意向と契約内容が合っていることを確認する機会を設けます(2016年5月施行)。
保険業法294条(情報提供義務)・294条の3(体制整備義務)
契約概要・注意喚起情報など顧客が判断に必要な情報を提供し、代理店は業務を適正に行う体制を整えます。
保険業法300条(禁止行為)
虚偽の説明、重要な事項を告げないこと、告知を妨げたり事実でない告知を勧めたりすることなどが禁止されています。
保険法37条(告知義務)
契約者・被保険者は、保険会社が求めた事項について事実を告知する義務があります。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(金融・保険・12業務)
- 「保険契約の申込手続」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち4つは、自動化の候補です
よくある質問
- 意向把握シートは必ず必要ですか
- 法令で決まった様式はありませんが、意向把握・確認の義務を果たしたことを示すため、記録を残すのが一般的です。
- 高齢者の契約で気をつけることは
- 家族の同席、複数回の面談、契約後の確認の連絡など、社内の基準に沿って理解の状況を確かめます。
- 手書きの意向把握シートを管理するには
- ジンベイ GenOCRで読み取り、顧客カードに自動で登録すると、意向の比較や点検が楽になります。