個人向け貸付の審査の業務手順書テンプレート(貸金業者)
個人から借入れの申込みを受け、本人確認と指定信用情報機関の照会を行い、総量規制と返済能力を審査して、契約の前後に法定の書面を交付し、記録を残すまでの流れです。手順書にしておくと、総量規制の超過や収入証明書の取り忘れ、書面の交付漏れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 貸金業法に沿って返済能力を確かめ、過剰な貸付をしないための手順です。
- 範囲
- 申込みの受付から、本人確認、信用情報の照会、返済能力の調査、審査、書面の交付、契約、記録まで。
- 始まるきっかけ
- 個人から店頭・Web・電話で借入れの申込みがあったとき
- 頻度・量の目安
- 毎日・数件〜数百件
- 使う書類・システム
- 借入申込書、本人確認書類、収入を証明する書類(源泉徴収票・給与明細など)、指定信用情報機関の照会結果、契約締結前の書面・契約締結時の書面
担当と役割
受付担当
申込みの受付、本人確認、書類の回収
審査担当
信用情報の照会、返済能力の調査、審査
審査責任者
基準を超える案件の判断
契約担当
書面の交付、契約、信用情報の登録
手順(11ステップ)
1. 申込みを受け、申込書の内容を確かめる
氏名・住所・生年月日・勤務先・年収・他社からの借入れ・希望額を確認します。
- 確かめること
- 申込書の記入漏れがないか
- できあがるもの
- 申込書
- 本人確認受付担当・目安 5分
2. 取引時確認を行う
本人確認書類で本人特定事項を確かめ、取引の目的と職業を申告してもらいます。
- 確かめること
- 書類と申込書の内容が一致するか
- できあがるもの
- 確認記録
3. 指定信用情報機関に照会する
他社を含む貸付の残高と、延滞などの状況を確認します。
- 確かめること
- 照会の同意を得たか
- できあがるもの
- 照会結果
- 総量規制審査担当・目安 5分
4. 総量規制に当たるかを確かめる
他社分を含めた借入残高と今回の貸付の合計が、年収の3分の1を超えないか計算します。
- 確かめること
- 除外・例外となる貸付(住宅ローン・緊急の医療費など)の扱いが正しいか
- できあがるもの
- 総量規制の計算
- 収入証明審査担当・目安 10分
5. 収入を証明する書類が必要か判断し、受け取る
自社の貸付が50万円を超える場合、または他社分と合わせて100万円を超える場合は、収入を証明する書類を受け取ります。
- 確かめること
- 書類の年度・期間が要件に合っているか
- できあがるもの
- 収入証明書の確認
- 審査審査担当・目安 15分
6. 返済能力を審査する
年収・勤続・家族構成・他社の返済額から、無理なく返済できるかを判断します。
- 確かめること
- 返済が年収に比べて過大でないか
- できあがるもの
- 審査記録
7. 基準を超える案件や例外の案件を判断する
例外貸付などに当たる場合は、根拠となる書類を確認します。
- 確かめること
- 判断の根拠を記録したか
- できあがるもの
- 判断記録
- 書面契約担当・目安 10分
8. 契約の前に、契約締結前の書面を交付する
貸付の金額・利率・返済の方法・期間などを書いた書面を交付し、説明します。
- 確かめること
- 利率が利息制限法の上限を超えていないか
- できあがるもの
- 契約締結前の書面
- 契約契約担当・目安 10分
9. 契約を結び、契約締結時の書面を交付する
契約の内容を書いた書面を遅滞なく交付します。
- 確かめること
- 書面の記載事項がそろっているか
- できあがるもの
- 契約締結時の書面
10. 指定信用情報機関に契約の情報を登録する
貸付の内容を決められた期限内に登録します。
- 確かめること
- 登録の期限を守ったか
- できあがるもの
- 登録記録
11. 返済能力の調査の記録と帳簿を保存する
調査の記録と、業務の帳簿を決められた期間保存します。
- 確かめること
- 保存期間を管理しているか
- できあがるもの
- 保存記録
締めのチェックリスト
- 申込書の記入漏れがないか
- 取引時確認をしたか
- 信用情報の照会の同意を得たか
- 総量規制を計算したか
- 除外・例外の扱いが正しいか
- 収入証明書が必要な場合に受け取ったか
- 返済能力を審査したか
- 利率が上限を超えていないか
- 契約締結前・締結時の書面を交付したか
- 信用情報を登録したか
よくあるミスと防ぎ方
他社の借入れの見落とし
申込書の自己申告だけで判断すると、総量規制を超えます。信用情報機関の照会結果で計算します。
収入証明書の取り忘れ
50万円・100万円の基準を超えたのに書類を受け取らないと、法令違反になります。審査の画面で自動的に判定する仕組みにします。
書面の交付漏れ
契約前と契約時の2つの書面が必要です。交付を記録してから次の手順に進みます。
測っておきたい指標
- 審査にかかる時間
- 総量規制の判定の誤り件数
- 書面交付の漏れ件数
関係する法令・規格
貸金業法13条(返済能力の調査)
個人への貸付では、指定信用情報機関の情報を使って返済能力を調査します。自社の貸付が50万円を超える場合、または他社と合わせて100万円を超える場合は、収入を証明する書類の提出を受けます。
貸金業法13条の2(過剰貸付け等の禁止・総量規制)
個人への貸付で、他社を含む借入残高が年収の3分の1を超える貸付は原則として禁止されています(除外・例外の貸付あり)。
貸金業法16条の2・17条(書面の交付)
契約締結前と契約締結時に、法定の事項を書いた書面を交付します。
利息制限法・出資法
利息の上限は元本の額に応じて年15〜20%です。出資法では年20%を超える利息の契約に刑事罰があります。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(金融・保険・12業務)
- 「個人向け貸付の審査」を含む12業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち5つは、自動化の候補です
よくある質問
- 総量規制はすべての借入れが対象ですか
- 住宅ローンや自動車ローンなどは総量規制の計算から除外され、緊急の医療費の貸付などは例外として年収の3分の1を超えて貸せる場合があります。銀行のカードローンは貸金業法の総量規制の対象外です。
- 収入証明書はいつ必要ですか
- 自社の貸付が50万円を超える場合、または他社分と合わせて100万円を超える場合です。
- 申込書の入力を減らすには
- 紙の申込書をジンベイ GenOCRで読み取り、審査システムに自動で入力すると、審査までの時間を短くできます。