ストレスチェックの実施の業務手順書テンプレート(業種共通)
年1回、従業員のストレスの状態を調べ、本人に結果を返し、希望する高ストレス者に医師の面接指導を行います。手順書にしておくと、結果の取り扱いの誤り(本人の同意なく会社が見るなど)や報告漏れを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- ストレスチェックを法律どおりに実施し、メンタルヘルスの不調を早めに防ぐことを目的にします。
- 範囲
- 実施体制の決定から、実施、結果の通知、面接指導、集団分析、労働基準監督署への報告、記録の保存まで。
- 始まるきっかけ
- 年間計画で決めた実施時期の2か月前
- 頻度・量の目安
- 年1回・常時50人以上の事業場は義務(50人未満の事業場への義務化は改正法で予定)
- 使う書類・システム
- ストレスチェック実施規程、調査票(職業性ストレス簡易調査票など)、実施を委託する機関との契約
担当と役割
人事担当(実施事務従事者)
案内・回収状況の管理・報告
実施者(産業医など)
ストレスチェックの実施、高ストレス者の選定、面接指導
衛生委員会
実施方法の審議
社員
受検、面接指導の申出
手順(11ステップ)
- 体制人事担当・目安 初回2時間
1. 衛生委員会で実施方法(実施者・時期・調査票・高ストレス者の基準・結果の扱い)を決め、規程にする
人事に関して直接の権限を持つ人は、実施の事務に従事できない。
- 確かめること
- 規程を社員に周知したか
- できあがるもの
- ストレスチェック実施規程
2. 対象者に実施期間と回答方法を案内する
受検は社員の義務ではないが、受けるよう勧める。受けないことで不利益に扱わない。
- 確かめること
- 案内に結果の扱いを書いたか
- できあがるもの
- 実施の案内
- 実施実施者・目安 —
3. 調査票で回答を集める
Web回答なら回収状況を把握しやすい。
- 確かめること
- 回答期間内に回収したか
- できあがるもの
- 回答データ
- 促し人事担当・目安 20分
4. 未受検者に受検を勧める(回答内容は見ない)
回収状況だけを確認する。
- 確かめること
- 未受検者への連絡をしたか
- できあがるもの
- 受検状況
5. 結果を本人に直接通知する
会社が本人の同意なく結果を見ることはできない。
- 確かめること
- 本人だけに届く方法か
- できあがるもの
- 結果の通知
- 選定実施者・目安 —
6. 高ストレス者を選び、面接指導の申出を勧める
申出の窓口と方法を本人に伝える。
- 確かめること
- 申出の方法を伝えたか
- できあがるもの
- 高ストレス者への案内
- 面接実施者(医師)・目安 1名30分
7. 申出があった人に、申出からおおむね1か月以内に面接指導を行う
申出をもって、本人が結果を会社に提供することに同意したものとして扱える。
- 確かめること
- 1か月以内に実施したか
- できあがるもの
- 面接指導の記録
- 措置人事担当・上長・目安 1名30分
8. 医師の意見を聞き、必要な就業上の措置(業務量の調整など)をとる
意見は面接指導からおおむね1か月以内に聞く。
- 確かめること
- 措置を記録したか
- できあがるもの
- 措置の記録
- 分析実施者・人事担当・目安 2時間
9. 部署ごとの集団分析を行い、職場環境の改善に使う
10人未満の部署は個人が特定されないよう集計単位を工夫する。
- 確かめること
- 個人が特定されない単位か
- できあがるもの
- 集団分析の結果
10. 常時50人以上の事業場は、検査結果等報告書を労働基準監督署に提出する
実施した人数、面接指導を受けた人数などを書く。
- 確かめること
- 提出したか
- できあがるもの
- 報告書の控え
- 保存実施者・目安 15分
11. 結果の記録を5年間保存する
本人の同意で会社に提供された結果は、会社が5年間保存する。
- 確かめること
- 保存者と保存場所を決めたか
- できあがるもの
- 保存記録
締めのチェックリスト
- 衛生委員会で実施方法を決めた
- 規程を社員に周知した
- 人事権のある人が事務に入っていない
- 結果を本人だけに通知した
- 本人の同意なく会社が結果を見ていない
- 高ストレス者に申出の方法を伝えた
- 申出から1か月以内に面接指導をした
- 医師の意見を聞き措置を記録した
- 集団分析で個人が特定されない
- 報告書を提出した
よくあるミスと防ぎ方
上司が部下の結果を見てしまう
本人の同意がない限り会社に結果は渡りません。実施事務に人事権のある人を入れない体制にします。
受けない人を不利益に扱う
受検しないこと、面接指導を申し出たことを理由に不利益に扱うことは禁止です。案内文にも書いておきます。
集団分析を少人数の部署で出す
個人が推測されるおそれがあります。人数の少ない部署はまとめて集計します。
測っておきたい指標
- 受検率
- 面接指導の申出率
- 集団分析に基づく改善の件数
関係する法令・規格
年1回の実施、本人への通知、面接指導。2025年の改正で50人未満の事業場も義務化(施行は公布から3年以内)
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「ストレスチェックの実施」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち3つは、自動化の候補です
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順2:対象者に実施期間と回答方法を案内する
- 手順5:結果を本人に直接通知する
- 手順10:常時50人以上の事業場は、検査結果等報告書を労働基準監督署に提出する
よくある質問
- 50人未満の事業場も実施が必要ですか?
- 現在は努力義務です。2025年の法改正で義務化されることになり、施行は公布から3年以内とされています。
- 結果を会社が見てよいのはどんなときですか?
- 本人が同意した場合です。同意は結果の通知後に個別に取ります。面接指導の申出は同意とみなせます。
- 外部の機関に頼めますか?
- 実施を委託できます。その場合も、衛生委員会での審議と規程の整備は会社が行います。