就業規則・社内規程の改定の業務手順書テンプレート(業種共通)
法改正や制度の変更に合わせて就業規則や社内規程を改定し、従業員代表の意見を聞き、労働基準監督署に届け出て周知します。手順書にしておくと、届出や周知の漏れで規程が効力を持たない、といった問題を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 規程を法令と実態に合わせて改定し、正しい手続きで効力を持たせることを目的にします。
- 範囲
- 改定の必要性の確認から、改定案の作成、承認、意見聴取、届出、周知、改定履歴の管理まで。
- 始まるきっかけ
- 法改正の施行前、人事制度や働き方を変えるとき、毎年の定期見直し
- 頻度・量の目安
- 年1〜数回
- 使う書類・システム
- 現行の就業規則・社内規程、法改正の情報(厚生労働省など)、意見書、就業規則(変更)届
担当と役割
総務・人事担当
改定案の作成、意見聴取、届出、周知
経営者
改定の承認
過半数代表(労働組合)
意見書の提出
社会保険労務士
法令との整合の確認(委託する場合)
手順(10ステップ)
- 確認総務・人事担当・目安 1時間
1. 法改正の施行日と、規程の改定が必要な箇所を一覧にする
育児・介護、労働条件の明示、ハラスメント防止など、毎年の改正を確認する。
- 確かめること
- 施行日を書いたか
- できあがるもの
- 改定の一覧
- 作成総務・人事担当・目安 2時間〜
2. 改定案と新旧対照表を作る
実態(運用)と規程がずれている箇所も合わせて直す。
- 確かめること
- 新旧対照表があるか
- できあがるもの
- 改定案・新旧対照表
- 確認総務・人事担当・目安 1時間
3. 労働条件を下げる改定(不利益変更)にあたるか確認する
不利益変更は、変更の必要性・内容の相当性・説明の経緯などが問われる。個別の同意を取ることも検討する。
- 確かめること
- 不利益変更の有無を確認したか
- できあがるもの
- 確認記録
- 承認経営者・目安 30分
4. 改定案を承認する
取締役会の決議が必要な規程は決議を経る。
- 確かめること
- 承認記録があるか
- できあがるもの
- 承認記録
- 意見総務・人事担当・目安 1時間
5. 就業規則は、過半数労働組合(ない場合は過半数代表)に改定案を示し、意見書をもらう
意見に反対が書かれていても届出はできるが、内容は真剣に検討する。
- 確かめること
- 意見書に署名または記名があるか
- できあがるもの
- 意見書
6. 常時10人以上の事業場は、就業規則(変更)届に改定後の規則と意見書を添えて労働基準監督署に届け出る
電子申請(e-Gov)も使える。事業場ごとに届け出る(本社一括の制度もある)。
- 確かめること
- 施行日より前に届け出たか
- できあがるもの
- 届出の控え
- 周知総務・人事担当・目安 1時間
7. 改定後の規程を、社内ポータル・掲示などでいつでも見られるようにし、変更点を説明する
周知しないと効力が認められない。
- 確かめること
- 全員が見られる状態か
- できあがるもの
- 周知の記録
- 反映総務・人事担当・目安 1時間
8. 規程の改定に合わせて、申請書の様式・給与や勤怠の設定・労働条件通知書を直す
関係する様式の一覧を作っておく。
- 確かめること
- 関係する様式を直したか
- できあがるもの
- 様式の更新
- 履歴総務・人事担当・目安 15分
9. 改定日・改定内容・届出日を改定履歴に記録し、旧版を保存する
どの時点でどの規程が有効だったかを後から確認できるようにする。
- 確かめること
- 改定履歴を更新したか
- できあがるもの
- 改定履歴
- 定期見直し総務・人事担当・目安 2時間
10. 年1回、規程と実際の運用がずれていないか、各部署に聞いて確認する
ずれていれば規程か運用のどちらを直すかを決める。
- 確かめること
- 見直しの結果を記録したか
- できあがるもの
- 見直しの記録
締めのチェックリスト
- 施行日と改定箇所を一覧にした
- 新旧対照表を作った
- 不利益変更の有無を確認した
- 経営者が承認した
- 過半数代表の意見書をもらった
- 施行日より前に届け出た
- いつでも見られる場所で周知した
- 関係する様式を直した
- 改定履歴と旧版を保存した
よくあるミスと防ぎ方
届出をしても周知していない
周知されていない規程は効力が認められないおそれがあります。社内ポータルに置き、変更点を説明します。
過半数代表を会社が指名する
意見聴取の手続きが不適切になります。目的を示して投票・挙手で選びます。
規程だけ直して様式を直さない
申請書や労働条件通知書が古いままだと、運用が規程とずれます。関係する様式を一緒に直します。
測っておきたい指標
- 法改正への対応の遅れ件数
- 改定から周知までの日数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
常時10人以上の事業場は作成・届出、過半数代表の意見聴取、周知
労働条件を不利益に変更する場合の要件
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(管理部門(業種共通)・50業務)
- 「就業規則・社内規程の改定」を含む50業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
10手順のうち1つは、自動化の候補です
よくある質問
- 10人未満の会社も就業規則は必要ですか?
- 作成・届出の義務はありませんが、労働条件をはっきりさせるために作ることをおすすめします。
- 意見書で反対されたら届け出られませんか?
- 意見を聞くことが義務で、同意は要件ではありません。ただし内容は真剣に検討し、説明を尽くします。
- パート用の規則も届出が必要ですか?
- パート就業規則も就業規則の一部なので届出が必要です。意見はパートの代表からも聞くことが望ましいです。