入塾手続きの業務手順書テンプレート(学校・研修・塾)
問い合わせや体験授業のあと、保護者に契約内容を説明し、概要書面と契約書面を渡して入塾の契約を結び、授業を始めるまでの流れです。手順書にすると、書面の交付漏れやクーリング・オフの説明不足によるトラブルを防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- 入塾の契約を、特定商取引法の手続きどおりに、どの教室でも同じように行えるようにします。
- 範囲
- 問い合わせ・体験授業から、契約の締結、授業の開始、クーリング・オフ期間の経過までです。
- 始まるきっかけ
- 保護者から入塾の問い合わせ、または体験授業の申込があったとき
- 頻度・量の目安
- 随時・1教室あたり月5〜30件(春・夏・冬の講習前に集中)
- 使う書類・システム
- 入塾申込書、概要書面、契約書面、授業料・教材費の一覧、生徒台帳
担当と役割
教室長
面談、契約内容の説明、契約の締結
受付・事務担当
書類の準備、生徒台帳への登録、請求
講師
体験授業、学力の確認
手順(11ステップ)
1. 問い合わせを受け、体験授業の日程を決める
生徒の学年、学校、目的(受験・補習)、希望の曜日を聞きます。
- 確かめること
- 連絡先と保護者の氏名を記録する。
- できあがるもの
- 問い合わせ記録
- 体験講師・目安 60分
2. 体験授業で学力と目標を確かめる
授業の様子と簡単なテストの結果を記録します。
- 確かめること
- 結果を教室長に引き継ぐ。
- できあがるもの
- 体験授業の記録
- 面談教室長・目安 30分
3. 保護者・生徒と面談し、学習計画を提案する
目標、授業の回数、期間、受講するコースを提案します。
- 確かめること
- 必要以上のコースや教材を勧めない。
- できあがるもの
- 学習計画の案
- 説明教室長・目安 20分
4. 契約前に概要書面を渡して説明する
授業の内容、期間、授業料・入会金・教材費などの総額、支払方法、クーリング・オフ、中途解約の条件を説明します。
- 確かめること
- 契約期間が2か月を超え、金額が5万円を超える場合は特定継続的役務提供に当たる。概要書面は契約の前に渡す。
- できあがるもの
- 概要書面の交付記録
- 契約教室長・目安 15分
5. 入塾申込書を受け取り、契約書面を渡す
契約を結んだら、遅滞なく契約書面を渡します。
- 確かめること
- 契約書面に、クーリング・オフの説明(赤枠の中に赤字)など法定の記載がある。保護者の承諾があれば電子での交付もできる。
- できあがるもの
- 契約書面の交付記録
6. 生徒台帳に登録する
生徒・保護者の情報、コース、契約日、契約書面の交付日、授業開始日を入れます。
- 確かめること
- 契約書面の交付日から8日間のクーリング・オフ期間の終わりの日を入れる。
- できあがるもの
- 生徒台帳の1行
7. 入会金・授業料・教材費を請求する
口座振替の手続きや初回の請求を行います。
- 確かめること
- 教材などの関連商品も、契約書面に記載したものだけを請求する。
- できあがるもの
- 請求の記録
- 開始講師・目安 10分
8. 授業を始め、初回の様子を保護者に伝える
初回の授業内容と、次回までの課題を伝えます。
- 確かめること
- 保護者への連絡方法(アプリ・電話)を確かめる。
- できあがるもの
- 初回報告
- クーリング・オフ受付・事務担当・目安 15分
9. クーリング・オフの申出があれば受け付ける
期間内に書面または電子メールなどで申出があれば、契約を解除し、受け取った金額を返します。
- 確かめること
- 期間内なら、すでに受けた授業の料金や違約金は請求できない。
- できあがるもの
- 解除の記録
- 中途解約教室長・目安 20分
10. 中途解約の申出があれば精算する
授業開始後の解約は、受けた授業の対価と、法律の上限の範囲内の解約料で精算します。
- 確かめること
- 学習塾の場合、授業開始後の解約料は2万円か1か月分の授業料相当額の低い方が上限。
- できあがるもの
- 精算の記録
11. 契約書類を保管する
申込書、概要書面・契約書面の控えを生徒ごとに保管します。
- 確かめること
- 退塾後の保存期間を決め、期間を過ぎたら廃棄の記録を残す。
- できあがるもの
- 保管記録
締めのチェックリスト
- 必要以上のコースや教材を勧めていない
- 契約前に概要書面を渡した
- 総額(入会金・授業料・教材費)を説明した
- 契約書面を遅滞なく渡した
- 契約書面にクーリング・オフの記載がある
- 生徒台帳にクーリング・オフ期間の終わりの日を入れた
- 契約書面にない教材を請求していない
- クーリング・オフの受付方法を全員が知っている
- 中途解約の解約料が上限の範囲内である
- 契約書類の控えを保管した
よくあるミスと防ぎ方
概要書面を渡さずに契約する
特定継続的役務提供に当たる契約では、契約の前に概要書面を渡す必要があります。面談の流れに書面の説明を入れ、交付日を記録します。
クーリング・オフ期間を数え間違える
期間は契約書面を受け取った日から8日間です。書面に不備があると期間が始まらないことがあります。台帳に終わりの日を入れて管理します。
中途解約で上限を超える解約料を求める
学習塾の解約料には法律の上限があります。精算の計算方法を手順書に書き、教室長が確かめます。
測っておきたい指標
- 体験授業からの入塾率
- 書面の交付漏れ件数(0件が基準)
- クーリング・オフ・中途解約の件数
この業務で残す書類の保存期間
関係する法令・規格
特定商取引法(特定継続的役務提供)
学習塾(期間2か月超・金額5万円超)の概要書面・契約書面の交付、クーリング・オフ(8日間)、中途解約と解約料の上限、関連商品の扱いに関わります。
消費者契約法
不当な勧誘や、消費者に一方的に不利な契約条項の無効に関わります。
個人情報保護法
生徒・保護者の個人情報の取扱いに関わります。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(教育・研修・10業務)
- 「入塾手続き」を含む10業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
11手順のうち4つは、自動化の候補です
よくある質問
- どんな学習塾の契約が特定商取引法の対象になりますか。
- 入学試験に備えるためや学校の補習のための授業で、期間が2か月を超え、金額が5万円を超える契約です。幼稚園児や大学生向けの塾は対象外です。
- クーリング・オフは電話でも受け付けますか。
- 法律では書面または電子メールなどで行うとされていますが、電話で連絡があった場合も、記録を残して書面などでの手続きを案内します。
- 授業開始後に解約したいと言われたら。
- 受けた授業の料金と、法律の上限の範囲内の解約料で精算します。学習塾の授業開始後の解約料の上限は、2万円か1か月分の授業料相当額の低い方です。