アカウントの発行・削除の業務手順書テンプレート(受託開発・情報システム)
入社・異動・退職の連絡を受けて、業務システムやクラウドサービスのアカウントを発行・変更・停止し、定期的に棚卸しする流れです。手順書にすると、退職者のアカウントの消し忘れや、必要以上の権限の付与を防げます。
この手順書の範囲
- 目的
- アカウントの発行から削除までを申請と承認の記録つきで行い、誰がどの権限を持つかをいつでも説明できるようにします。
- 範囲
- 人事からの入社・異動・退職の連絡から、アカウントの発行・変更・停止、四半期ごとの棚卸しまでです。
- 始まるきっかけ
- 人事から入社・異動・退職の連絡があったとき、または部署から権限の追加の申請があったとき
- 頻度・量の目安
- 随時・従業員100名あたり月5〜15件
- 使う書類・システム
- 入社・異動・退職の連絡票、アカウント申請書、システムごとの権限の一覧、備品・IT資産管理台帳
担当と役割
人事担当
入社・異動・退職の連絡
申請者の上長
必要な権限の申請と承認
情報システム担当
アカウントの発行・変更・停止、棚卸し
手順(12ステップ)
1. 人事から入社・異動・退職の連絡を受ける
氏名、社員番号、部署、役職、発令日、退職日を連絡票で受け取ります。
- 確かめること
- 連絡は人事からのものだけを正とする。本人や部署からの口頭の連絡では作業しない。
- できあがるもの
- 連絡票
2. 必要なシステムと権限を申請する
業務に必要なシステムと、閲覧・登録・承認などの権限を、権限の一覧から選んで申請します。
- 確かめること
- 前任者と同じ権限を一律にコピーしない。
- できあがるもの
- アカウント申請書
- 承認情報システム担当・目安 5分
3. 申請内容を確かめる
職務に対して権限が多すぎないか、管理者権限が含まれていないかを確かめます。
- 確かめること
- 管理者権限は、システムの管理責任者の承認を追加でもらう。
- できあがるもの
- 確認済みの申請
4. アカウントを発行する
命名規則に沿って ID を作り、権限を設定し、多要素認証を有効にします。
- 確かめること
- 初期パスワードは、本人だけが受け取れる方法で渡す。
- できあがるもの
- 発行済みのアカウント
5. アカウント台帳に記録する
システム、ID、権限、発行日、申請番号を台帳に入れます。
- 確かめること
- 申請書と台帳の内容が一致している。
- できあがるもの
- アカウント台帳
- 案内情報システム担当・目安 10分
6. 利用開始の案内と利用ルールを伝える
ログイン方法、パスワードと多要素認証の設定、利用ルール(持ち出し・共有の禁止など)を案内します。
- 確かめること
- 利用ルールへの同意を記録する。
- できあがるもの
- 案内の記録
7. 異動時に旧部署の権限を外す
新しい部署の申請で権限を追加し、旧部署の権限は発令日に外します。
- 確かめること
- 引継ぎ期間に旧権限を残す場合は、外す日を決めて台帳に入れる。
- できあがるもの
- 変更済みのアカウント
8. 退職日にアカウントを停止する
最終出社日の業務終了後に、全システムのアカウントを停止し、共有メールやデータの引継ぎ先を設定します。
- 確かめること
- 台帳で、その人が持つ全システムを洗い出して停止する。
- できあがるもの
- 停止済みのアカウント
- 退職情報システム担当・目安 15分
9. 貸与品を回収する
PC、スマートフォン、セキュリティカードを回収し、IT資産管理台帳を更新します。
- 確かめること
- 回収した PC のデータを消去する前に、引継ぎが必要なデータがないか上長に確かめる。
- できあがるもの
- 回収記録
- 削除情報システム担当・目安 10分
10. 停止したアカウントを一定期間後に削除する
停止から一定期間(例: 90日)後に、データの保存の要否を確かめて削除します。
- 確かめること
- 法令や社内規程で保存が必要なデータは削除前に移す。
- できあがるもの
- 削除の記録
11. 四半期ごとにアカウントを棚卸しする
システムのアカウント一覧と人事の在籍者一覧を突き合わせ、退職者・不明なアカウントを洗い出します。
- 確かめること
- 共有アカウント・サービス用アカウントは、管理者が決まっているか確かめる。
- できあがるもの
- 棚卸しの結果
- 棚卸し申請者の上長・目安 15分
12. 部下の権限が今の業務に合っているか確かめる
情報システム担当が出した一覧で、不要な権限に印をつけて返します。
- 確かめること
- 期限までに返さない部署は、情報システム担当が督促する。
- できあがるもの
- 権限の確認結果
締めのチェックリスト
- 人事からの連絡で作業した
- 権限の一覧から選んで申請した
- 管理者権限に追加の承認がある
- 多要素認証を有効にした
- 初期パスワードを本人だけが受け取れる方法で渡した
- 申請書と台帳の内容が一致している
- 異動時に旧部署の権限を外した
- 退職日に全システムのアカウントを停止した
- 貸与品を回収した
- 四半期ごとの棚卸しを行った
よくあるミスと防ぎ方
退職者のアカウントの消し忘れ
部署で契約したクラウドサービスなど、情報システム担当が知らないアカウントが残ります。台帳に全システムを入れ、棚卸しで人事の在籍者一覧と突き合わせます。
前任者の権限をそのままコピーする
長年の異動で増えた権限まで引き継がれます。権限の一覧から必要なものを選ぶ申請にします。
共有アカウントの管理者がいない
誰が使っているかわからないアカウントは、不正利用に気づけません。管理者を決め、パスワードを定期的に変えます。
測っておきたい指標
- 退職日から停止までの日数(0日が基準)
- 棚卸しで見つかった不要アカウントの件数
- 申請から発行までの日数
関係する法令・規格
個人情報保護法
個人データを扱うシステムのアクセス制御・アクセス者の識別と認証など、技術的安全管理措置に関わります。
不正アクセス禁止法
退職者が残ったアカウントで他人の ID を使ってログインすることは不正アクセスに当たり得ます。アクセス管理者として、ID の適切な管理に努めることも求められます。
無料ダウンロード
業務手順書テンプレート集(IT・受託開発・10業務)
- 「アカウントの発行・削除」を含む10業務の手順書を、1業務1シートで書き換えられるExcel
- 手順ごとに担当・確かめること・できあがるもの・目安時間の列。自社のやり方に合わせて行を足せます
- 締めのチェックリストと改訂履歴のシートつき。A4横で印刷できます
フォームを送信すると、すぐにダウンロードできます
12手順のうち7つは、自動化の候補です
ジンベイ GenRPA
システムへの転記や画面操作の自動化
- 手順4:アカウントを発行する
- 手順5:アカウント台帳に記録する
- 手順7:異動時に旧部署の権限を外す
- 手順8:退職日にアカウントを停止する
- 手順11:四半期ごとにアカウントを棚卸しする
よくある質問
- 退職者のアカウントはすぐ削除すべきですか。
- まず停止し、メールやデータの引継ぎを終えてから削除するのが安全です。停止は最終出社日の業務終了後に行います。
- 棚卸しはどのくらいの頻度で行いますか。
- 四半期に1回が目安です。個人情報や会計など重要なシステムは、より短い間隔で行うこともあります。
- アカウントの発行を自動化できますか。
- 人事システムの入社・退職の情報をもとに、発行・停止の操作を自動化できます。権限の選び方と承認は人が行います。