CADデータは、画像やPDFにせずにデータのまま読むのが確実です。DWG・DXFには、線の正確な座標・寸法の値に加えて、PDFや画像では失われるレイヤ・ブロック・属性が入っています。データから取り出せるものはプログラムで正確に取り出し、何の部品・設備か、どこにあり何とつながるか、という意味の判断にAIを使うと、図面を見る人に近い読み方ができます。
なぜ、CADデータのまま読むのか
図面をAIに読ませる方法として、図面をPDFや画像にして生成AIに見せる方法がよく紹介されます。手軽ですが、CADで描いた図面を画像にすると、CADデータに入っていた情報の多くが失われます。
| 情報 | CADデータ(DWG・DXFなど) | CADから出力したPDF | スキャン画像 |
| 線の正確な座標・長さ | そのまま取れる | 取れる(線の情報が残っていれば) | 画像から推定する |
| 寸法の値 | 取れる。図形の長さとも比べられる | 文字として取れる | 読み取る |
| レイヤ(何の線か) | 取れる | 多くは失われる | 無い |
| ブロック・属性(部品・設備と、その品番など) | 取れる | 失われる | 無い |
| 外部参照(組み合わせた図面) | 取れる | 1枚にまとまる | 無い |
画像を読むAIは、線が何を表すのかを形と周りの文字から推測します。CADデータなら、「設備」のレイヤにある「P-101」というブロックで、属性に品番が入っている、という事実から始められます。推測が減るぶん、結果が安定します。
| 形式 | 主な使われ方 | AIで読むときのポイント |
| DWG | AutoCADなどの標準の形式 | 図形・寸法・ブロック・属性・外部参照をすべて持つ。CADのバージョンによって中身の形が違う |
| DXF | CADどうしのデータ交換用の形式 | DWGとほぼ同じ情報を、読みやすい形で持つ。古いバージョンのDXFもある |
| Jw_cad(JWW・JWC) | 建築・設備・土木の2D図面 | レイヤグループとレイヤで描き分ける。ブロックの代わりに図形の組で描かれることが多い |
| SXF(SFC・P21) | 公共工事の電子納品 | CAD製図の基準に沿ったレイヤ名で描かれるので、何の線かを判断しやすい |
| IGES・STEP | 3D CADどうしのデータ交換 | 部品の形・大きさ・穴などを取り出せる |
ふだんはDWGで描き、取引先との受け渡しはDXFやPDF、という会社が多くあります。どの形式で受け取っても、同じ仕組みで読めるようにしておくと、取引先ごとの違いに振り回されません。
CADデータの解析の進め方
- 取り出す。図形・寸法・文字・レイヤ・ブロック・属性・外部参照を、プログラムで取り出します。ここはAIではなく、データをそのまま読む工程です。
- 描き方の決まりを洗い出す。レイヤ名・ブロック名・属性名の付け方が、人や時期によってどう違うかを、過去の図面から一覧にします。
- 意味をそろえる。違う名前で同じものを指しているレイヤや属性を、対応表とAIの判断で同じ意味にそろえます。
- 位置とつながりを割り出す。座標から、置き場所・隣り合うもの・つながる配管や配線を割り出します。
- 使う形で出す。図面台帳・設備台帳・照合の結果・社内のAIから引けるデータなど、使い道に合わせて出します。
精度に効く条件
- レイヤの決まり。レイヤで線の種類を描き分けているほど、確実に判断できます。決まりが無い図面は、線種・色・位置とAIの判断で補います。
- ブロックと属性。部品や設備をブロックにして品番を属性に入れていれば、そのまま取り出せます。線と文字だけで描かれている場合は、形と近くの文字から結びつけます。
- 寸法の書き換え。寸法の数字を手で書き換え、図形の長さと合わない図面があります。両方を取り出して比べ、合わないものは確かめる一覧に入れます。
- 外部参照とフォント。外部参照が切れている、文字のフォントが置き換わって化けている、といったデータは、先に一覧にして直してから読みます。
読めると、何ができるか
| やりたいこと | CADデータから使うもの |
| 図面台帳を作る | 表題欄の文字・ブロックの属性(図番・改訂・品番) |
| 客先の図面と作図データを照合する | 図形の座標・寸法の値・注記 |
| 設備の一覧と配置図を合わせる | 設備のブロック・座標・レイヤ |
| 図面の中身に、社内のAIから答える | 部品・設備と位置の関係をデータにしたもの |
| CADで作図する | 読み取った形と寸法を、作図ルールに合わせて描き戻す |
ジンベイの図面AI
ジンベイの図面AIは、DWG・DXF・Jw_cad・SXF・IGES・STEPのCADデータを画像にせずに読み、CADデータの解析、客先の図面と作図データの照合、AIによるCAD作図まで、会社ごとの描き方に合わせて作ります。図面を社外に出せない場合は、貴社の環境の中で動かす構成も選べます。