FDEとは
FDE(Forward Deployed Engineer)は、お客様の組織に入り、現場の業務を理解しながら技術的な仕組みを作り、実際の業務の中で動かすエンジニアを指します。ソフトウェア開発の力に加えて、業務の理解と、現場の利用者と直接やり取りすることが求められます。
職種名としては、米国のPalantirが使い始めたものとして広く知られています。生成AIの普及とともに、AIを業務に組み込む役割として国内でも使われるようになりました。
コンサル・受託開発・SESとの違い
発注する側から見ると、違いは「誰が要件を決めるか」と「何を約束するか」に表れます。
| 形 | 要件を決める人 | 約束すること | 手元に残るもの | 向いている場面 |
|---|---|---|---|---|
| コンサル | コンサルタントとお客様 | 調査・分析・提言 | 報告書・計画 | 何をするかを決めたい |
| 受託開発 | お客様(要件定義書) | 決めた仕様のシステムを完成させる | システム | 作るものが決まっている |
| SES | お客様 | 技術者が作業すること | 作業の成果(指示に沿ったもの) | 社内の開発体制に人手を足したい |
| FDE型の支援 | 現場に入ったエンジニアとお客様 | 課題を見つけ、作り、使われる状態にする | 現場で動く仕組み | 何をするかも、どう作るかも決まっていない |
FDE型の支援は、コンサルの「何をするか決める」と、受託開発の「作る」を同じ人が続けて担う形です。伝言の回数が減るため、要件のずれが起きにくくなります。
契約の形:請負と準委任
民法では、仕事の完成に対して報酬を払う契約を請負(第632条)、事務の処理を任せる契約を準委任(第656条で委任の規定を準用)としています。
| 契約の形 | 約束するもの | 合う段階 |
|---|---|---|
| 請負 | 仕事の完成 | 作るものと仕様が決まった段階 |
| 準委任 | 事務の処理(作業を適切に行うこと) | 課題を探す段階、作りながら決める段階 |
FDE型の支援では、課題を探す段階と、作るものが決まった段階で中身が変わります。段階ごとに契約の形と成果物を分けておくと、どこまでが約束の範囲かがはっきりします。
費用の決まり方
FDE型の支援の料金は、会社によって単位がそろっていません。稼働日数、期間、人数、成果のどれに対して払うのかで、同じ金額でも中身が変わります。見積もりを比べるときは、金額より先に次の点をそろえます。
- 何に対して払うか。稼働(人×期間)か、成果物か、その組み合わせか
- 現場に入る頻度。常駐か、週に何日か、オンライン中心か
- 期間と見直しの時期。何か月単位で、どの時点で続けるかを判断するか
- 次の段階への充当。最初の診断や検証の費用が、開発に進んだときに差し引かれるか
発注前に確かめること
- 現場に入る人が、実装まで担うか。話を聞く人と作る人が別だと、FDE型の利点が薄れます。
- 最初に何を決めるか。業務の棚卸しや優先順位づけなど、最初の数週間で何が手元に残るかを確かめます。
- 「使われた」をどう測るか。納品ではなく、現場で使われる状態をゴールにしているかを確かめます。
- 作ったものを誰が直せるか。コードや設定の権利と、社内で改修できるようにする引き継ぎ(内製化の支援)の範囲を確かめます。
- 情報の扱い。現場のデータに触れるため、秘密保持と情報セキュリティの体制を確かめます。
FDE型の支援が向いている会社
- 「生成AIで何かしたい」が、どの業務から手を付けるか決まっていない
- PoCや研修はしたが、現場の業務がほとんど変わっていない
- 要件を決める人と作る人が別で、伝言のたびに話がずれている
反対に、作るものと仕様がすでに決まっているなら受託開発、社内の開発チームに人手を足したいならSESのほうが合うこともあります。
ジンベイのFDEサービス
ジンベイのFDEサービスでは、現場で話を伺ったエンジニアがそのまま実装し、使われるまで伴走します。入口は2週間の業務アセスメントで、開発に進む場合はその費用を開発費に充当します。AIでできるかを先に確かめたい場合はAI PoC開発から始められます。