生成AIの内製化の支援には、社員に教える研修型、社内のチームの横で助言する伴走型、外部のエンジニアが現場で作りながら引き継ぐFDE型があります。どの型でも、「何を、どの状態で渡せば引き継ぎが終わるか」を最初に決めておかないと、1本目は動いても2本目で止まりがちです。完了条件は、コード・評価データ・運用手順書・社内の担当者の4つで確かめます。
内製化の支援の3つの型
| 型 | 進め方 | 手元に残るもの | 向いている会社 | 気をつけること |
| 研修型 | 講座やワークショップで、社員に使い方・作り方を教える | 知識と、研修で作った試作 | 全社で使い方の底上げをしたい | 業務で動く仕組みは残りにくい |
| 伴走型 | 社内のチームが作り、外部は定例の打ち合わせで助言する | 社内のチームが作った仕組み | 社内にエンジニアがいて、作る時間も取れる | 社内の作り手がいないと進まない |
| FDE型 | 外部のエンジニアが現場に入り、社内の担当者と一緒に作って本番で動かし、引き継ぐ | 本番で動く仕組みと、作り方・測り方 | 何から手を付けるか決まっておらず、社内の作り手も足りない | 引き継ぎの完了条件を決めないと、外部に頼り続ける |
FDE型の詳しい説明は、FDE(Forward Deployed Engineer)とはで解説しています。
1本目は動いても、2本目で止まる理由
- 作り方が残っていない。1本目を外部が作り、手順が担当者の頭の中にしかありません。
- 測り方が残っていない。正解データと評価の手順がないため、2本目の出来を判断できません。
- 担当者に時間がない。社内の担当者が兼務のままで、作る時間が取れません。
- 土台が1本目専用。権限・データの置き場所・費用の管理が1本目に合わせて作られ、使い回せません。
どれも、引き継ぎで「何を渡すか」を最初に決めていれば防げます。
引き継ぎの完了条件
| 渡すもの | 完了した状態 |
| ソースコードと設定 | 貴社が管理する場所にあり、手順書どおりに作り直せる |
| 指示文(プロンプト)と参照する資料 | 版が管理され、変えた理由が残っている |
| 正解データと評価の手順 | 社内の担当者が評価を流し、結果を読める |
| 運用手順書 | 止め方・問い合わせの受け方・モデルが更新されたときの測り直しが書かれている |
| 費用の見方 | 件数と費用の関係が分かり、上限を設定している |
| 権限と記録 | 管理者が決まり、操作の記録の見方が分かる |
| 社内の担当者 | 小さな改修(指示文を変える→評価する→反映する)を1人でできる |
最後の項目が最も大切です。書類がそろっていても、社内の担当者が1人で直せなければ、引き継ぎは終わっていません。
完了をどう確かめるか
- 引き継ぎの前に、社内の担当者が主になって小さな改修を1回やる。外部は横で見るだけにします。
- 2本目は社内が主になって作る。外部は設計と評価の確認役に回ります。
- 2本目の評価を、社内の担当者だけで流す。合格ラインの判断まで社内でできれば、完了です。
型の選び方
- 何から手を付けるか決まっていない、社内の作り手も足りない → FDE型で1本目を作りながら引き継ぐ
- 社内にエンジニアがいて、作る時間も取れる → 伴走型
- 全社の使い方の底上げが目的 → 研修型
組み合わせることも多く、FDE型で1本目と土台を作り、2本目以降を伴走型に切り替え、並行して全社向けの研修を行う、という進め方もあります。
Copilot Studioで作る場合
Microsoft 365 Copilot・Copilot Studioでエージェントを作る場合も、引き継ぐものは同じです。加えて、エージェントごとの参照範囲と、共有設定を見直した結果を残しておくと、2本目以降で権限の確認をやり直さずに済みます。進め方はCopilotのエージェント構築支援でご紹介しています。
ジンベイのFDEサービス
ジンベイのFDEサービスでは、現場に入ったエンジニアが社内の担当者と一緒に作り、本番で動かしたうえで、コード・評価データ・運用手順書を引き継ぎます。引き継ぎの完了条件は、最初の業務アセスメントの段階で一緒に決めます。