FDE型の支援の費用は、対象の業務の数、現場に入る頻度、関わる人数と役割、期間、契約の形、引き継ぎの範囲の6つで決まります。同じ「FDE」でも、何に対して払うのかが会社ごとに違うため、金額だけを並べても比べられません。見積もりを比べるときは、段階ごとの期間・体制・成果物をそろえてから比べます。
FDE(Forward Deployed Engineer)型の支援の費用は、「どの範囲の業務に、どんな人が、どれくらいの頻度と期間で関わり、最後に何を渡すか」で決まります。この記事では金額の相場は扱わず、費用を左右する要素と、見積もりを比べるときにそろえる点をまとめます。FDEそのものの説明はFDEとは(SES・コンサル・受託開発との違い)をご覧ください。
費用を左右する6つの要素
| 要素 | 費用が増える方向 | 確かめること |
| 1. 対象の業務・部門の数 | 部門をまたぐ、業務の数が多い | 最初の段階で何部門・何業務を見るか |
| 2. 現場に入る頻度 | 常駐に近い、現地に通う回数が多い | 常駐・半常駐・オンライン中心のどれか。打ち合わせの頻度 |
| 3. 人数と役割 | エンジニアの人数が多い。専門の役割(データ・インフラなど)が加わる | 現場に入る人が実装まで担うか。誰が何を担当するか |
| 4. 期間 | 段階が多い、定着の期間が長い | 段階ごとの期間と、続けるかを判断する時点 |
| 5. 契約の形 | 成果の完成まで約束する範囲が広い | 準委任(作業)か請負(完成)か。段階ごとに分けるか |
| 6. 引き継ぎの範囲 | 社内で作り続けられる状態まで渡す | コード・評価データ・手順書を渡すか。2本目の開発に伴走するか |
このほか、扱うデータの量と状態(紙やスキャンが多い、正解データが無い)、つなぐ社内システムの数、セキュリティの要件(閉域で動かすなど)も、作る量と期間を通じて費用に効きます。
段階ごとの期間と体制
FDE型の支援は、何を作るかが決まっていない段階から始まるため、段階を分けて進めるのが一般的です。ジンベイのFDEサービスでは、次の段階で進めています。期間は目安で、対象の範囲によって変わります。
| 段階 | 期間の目安 | やること | 手元に残るもの |
| 業務アセスメント | 2週間〜 | 現場の声を棚卸しし、効く施策と順番を決める | 業務の棚卸し表、優先順位、最初の90日のロードマップ |
| PoC・検証 | 1〜2か月 | 正解データを作り、精度・速さ・費用を測る | 検証の結果と、本番で使ってよいかの判断材料 |
| 開発 | 2〜3か月 | 必要な部分だけを、既存の仕組みにつなげて作る | 現場で動く仕組み |
| 定着・改善 | 継続 | 使われ方を見ながら、精度と運用を育てる。社内に引き継ぐ | コード・評価データ・運用の手順書 |
段階を分けると、それぞれの終わりに「次に進むか」を決められます。最初から全体を約束するより、途中でやめる・向きを変える判断がしやすくなります。
契約の形と、費用の見え方
民法では、仕事の完成に対して報酬を払う契約を請負(第632条)、事務の処理を任せる契約を準委任(第656条で委任の規定を準用)としています。
- 課題を探す段階、作りながら決める段階は、何を作るかが決まっていないため、準委任(期間と体制に対して払う形)が合います。
- 作るものと仕様が決まった段階は、請負(完成に対して払う形)も選べます。
同じ金額でも、準委任なら「期間中に何をするか」、請負なら「何が完成すれば終わりか」を見ないと、中身を比べられません。
見積もりを比べるときにそろえる点
- 何に対して払うか。稼働(人×期間)か、成果物か、その組み合わせか
- 現場に入る人が、実装まで担うか。話を聞く人と作る人が別なら、伝言の分だけ期間が延びやすくなります
- 段階ごとの期間と成果物。アセスメントで何が手元に残るか、PoCで何を測るか
- 次の段階への充当。最初の診断や検証の費用が、開発に進んだときに差し引かれるか
- 引き継ぎの完了条件。何を渡せば終わりか。社内で直せる状態まで含むか
- 運用にかかる費用。生成AIの利用料やサーバーなど、作ったあとに毎月かかる費用を誰が持つか
費用を抑える進め方
- 最初は1部門・1業務に絞る。範囲を絞ったアセスメントから始め、効果が見えた業務から広げます。
- 正解データを社内で用意する。業務の担当者が正しい答えの例を用意できると、検証の期間が短くなります。
- オンライン中心にする。現地に行く必要がある場面(業務の観察・現場での試用)に絞って通います。
- 2本目は社内で作る。1本目を一緒に作りながら引き継ぎ、2本目は社内の担当者が作ると、外部に払う期間が短くなります。
ジンベイのFDEサービス
ジンベイのFDEサービスは、現場で話を伺ったエンジニアがそのまま実装し、使われるまで伴走する実装型です。入口は2週間の業務アセスメントで、対象の部門数と業務の数に応じてお見積りします。開発に進む場合は、アセスメントの費用を開発費に充当します。AIでできるかを先に確かめたい場合はAI PoC開発から、作る業務が決まっている場合はAIエージェント導入支援から始められます。