RPAが止まる主な原因

RPAは、画面の決まった項目を探して操作します。探した項目が見つからないか、思った状態でないと止まります。主な原因と対策は次のとおりです。

原因起きること対策
画面の項目の位置・名前が変わったボタンや入力欄が見つからない項目の探し方を複数にする
読み込みが遅れた表示される前に操作して失敗する決まった秒数ではなく、表示を待つ
ポップアップが出た元の画面が操作できない出たら閉じる分岐を入れる
ログインの期限が切れたログイン画面に戻されるログインから始める。パスワードの更新日を台帳で管理する
データが想定外空欄や桁あふれで入力できない入力の前に確かめ、外れたら人に回す
画面の解像度・表示倍率が違う項目が見えない・別の項目を押す実行するPCの表示をそろえる

解像度の違いは見落としがちです。MicrosoftのPower Automateの公式ドキュメントでも、無人実行の画面の解像度が作ったときと違うと、項目が見つからないエラーや、別の項目を操作する原因になると説明されています。

対策1:待ち方を決める

「3秒待つ」のように秒数で待つと、混んでいる時間に間に合わず止まります。逆に長くすると、毎回むだに待ちます。「この項目が表示されるまで待つ」「読み込み中の表示が消えるまで待つ」のように、画面の状態で待つのが基本です。待つ上限の時間も決め、超えたら次の分岐に進めます。

対策2:項目の探し方を複数にする

画面の項目は、表示名、内部の識別名、位置、近くの文字など、いくつかの手がかりで探せます。1つの手がかりだけに頼ると、画面の改修で止まりやすくなります。変わりにくい手がかりを優先し、見つからないときは別の手がかりで探すようにしておきます。画面上の座標だけで押す作り方は、解像度が変わると外れるため避けます。

対策3:例外の分岐とやり直し

  1. よく出る画面は分岐にする。ポップアップ、確認の画面、ログイン画面などは、出たときの処理を決めておきます。
  2. 続きから動かせるようにする。どの行まで終わったかを記録し、止まっても続きから動かせるようにします。
  3. 止まったら知らせる。画面の画像とエラーの内容を残し、担当者にメールやチャットで知らせます。
  4. 判断が要るものは人に回す。想定外のデータは無理に入力せず、確認待ちの一覧に入れます。

止まったときの調べ方

止まったときは、次の順に見ると原因を早く絞れます。

  1. どの手順で止まったか。実行の記録から、止まった手順と時刻を確かめます。
  2. そのときの画面。残した画面の画像で、項目が無いのか、別の画面が出ていたのかを見ます。
  3. 最近の変更。業務システムの改修、ブラウザやOSの更新、パスワードの変更がなかったかを確かめます。
  4. 手で同じ操作をする。人が操作して同じ所で詰まるなら画面やデータの問題、詰まらないならRPAの待ち方や探し方の問題です。

毎回同じ所で止まるなら画面の変更、ときどき止まるなら読み込みの遅れを疑います。原因を台帳に残すと、次に止まったときの見当が付けやすくなります。

対策4:運用ルールと管理台帳

止まったRPAを直せない原因は、技術より運用にあることが多いです。次を決めておくと、保守の手間が減ります。

  • ロボットごとの担当者と、代わりに直せる人
  • 操作する業務システムと、その改修予定を知る窓口
  • ログインに使うアカウントと、パスワードの更新日
  • 止まったときに手作業で回す手順

これらはRPA管理台帳とロボット仕様書・引継ぎ書のテンプレートで1本ずつ書き残せます。システムの改修予定が分かれば、止まる前に直せます。

自己修復(Self-healing)とは

自己修復は、項目が見つからないときに、ツールが別の手がかりやAIで画面から探し直し、処理を続ける考え方です。画面の小さな改修のたびに止まって人を待つ時間を減らせます。

気をつけたいのは、AIが手順を勝手に書き換える形です。似た別のボタンを押していても気づきにくく、いつ・何が変わったかを後から追えなくなります。お金や在庫に関わる入力では、特に注意が要ります。

安全なのは、AIが探して続けた内容と直し方を「提案」として残し、人が確かめてから手順に反映する形です。自己修復のある製品を選ぶときは、提案を人が確かめられるか、変更の記録が残るかを確かめます。

ジンベイ GenRPAの場合

ジンベイのAIエージェント型RPA「ジンベイ GenRPA」は、ボタンや入力欄が見つからないとAIが画面から探して処理を続け、直し方を提案として残します。反映するかは人が決め、反映した後は直した手順で動きます。反映するまで手順は変わらず、フローの版の履歴も残ります。

画面からの探し直しと直し方の提案には、クラウドのAIを使います。決まった手順の実行は、AIを呼ばずに社内のPCで動きます。仕組みはAIエージェント型RPAとはで、ほかのRPAからの移り方は乗り換えのページで解説しています。

Microsoft、Power Automate は Microsoft グループの商標です。