MCPとは
MCP(Model Context Protocol)は、AIアプリと外部のデータやツールをつなぐためのオープンな規格です。Anthropicが2024年11月25日に公開しました。仕様は更新が続いており、この記事は2026-07-28版をもとにしています。
MCPでは、業務アプリの側が「MCPサーバー」を用意し、AIアプリの側(ClaudeやChatGPTなどのクライアント)がそこに接続します。サーバーがAIに渡すものは、主に次の3つです。
| 種類 | 中身 | 業務アプリでの例 |
|---|---|---|
| ツール | AIが呼び出して実行する操作 | レコードの検索・登録・更新、アプリの作成 |
| リソース | AIが参照するデータや文脈 | アプリの項目定義、マスタの一覧 |
| プロンプト | 利用者向けの定型の指示 | 「今月の未承認の申請をまとめて」 |
APIと違うのは、AIが自分で「どのツールを、どの引数で呼ぶか」を決める点です。便利な反面、人がボタンを押す操作とは別の守り方が要ります。
国内の業務アプリ・SaaSの対応状況
国内でも公式のMCPサーバーを出すSaaSが増えています。サイボウズはkintoneの公式MCPサーバーをオープンソースで公開しており、アプリやレコードの取得・追加・更新などができます。freee、マネーフォワード、Sansanも公式のMCPサーバーを提供しています。
一方で、2026年4月時点の調査(日本のSaaS 100社)では、MCPで使える状態にあるのは約35%で、半数近くはAPIだけの対応でした。社内で作った業務システムの多くは、MCPにもAPIにも対応していません。
MCPでつなぐときに起きうること
MCPの仕様とセキュリティのベストプラクティスでは、主に次の注意点が挙げられています。
- ツールは任意のコード実行と同じ扱い。AIが呼べる操作は、そのままデータを変えられる操作です
- プロンプトインジェクション。読み込んだ書類やツールの説明文に埋め込まれた指示に、AIが従ってしまうことがあります
- 権限の取り違え。AIが、利用者本人より広い権限で動いてしまう構成があります
- トークンの扱い。認証のトークンをURLに入れない、別のサービスへ素通ししない、といった決まりがあります
仕様では、人が実行を止められるようにすること、機密性の高い操作では確認を取ること、操作の記録を残すことが「推奨」とされています。ただし、MCPの規格そのものはこれを強制できません。守れるかどうかは、つなぐ業務アプリの側の作りで決まります。
業務アプリ基盤を選ぶときに確かめること
社内の業務データをAIエージェントにつなぐなら、MCPに対応しているかどうかより、次の6つを業務アプリの側で決められるかが大切です。
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| AIに渡す権限を、利用者やキーごとに絞れるか | 読み取りだけから始め、必要になったら広げるため(最小権限) |
| 伏せた項目が、APIやMCPからも見えないか | 画面で隠しても、AI経由で読めては意味がないため |
| 接続元を制限できるか(IPアドレスなど) | キーが漏れたときの被害を小さくするため |
| AIがした操作が、誰のキーで何をしたか記録に残るか | 事故のときに追えるようにするため |
| AIの結果をそのまま反映するか、人が確かめてから反映するかを選べるか | 業務ごとに任せる範囲が違うため |
| データを変えずに試せるか | 本番のデータを壊さずに、AIの動きを確かめるため |
導入は、小さな業務の読み取りから始めます。次に部署や役職ごとに権限を決め、記録を見ながら書き込みの範囲を広げる順番が安全です。個人情報を含むアプリは、最初はつながないことも選択肢です。
GenAppでの考え方
ジンベイの生成AIソフトウェアファクトリー「GenApp」は、MCPとREST APIに対応しています。利用企業が使っているAIエージェントから、APIキーの権限の範囲内で、業務アプリの構築とデータの操作ができます。
- 権限は既定・アプリ別・項目別の3層で設定でき、伏せた項目は画面でもAPIでも帳票でも見えません
- APIキーごとに権限を絞れ、IPアドレス制限はAPIにも適用されます
- 更新・承認からAIの提案の適用・却下まで、50種類の操作を監査ログに365日記録します
- AIの結果を自動で反映する範囲はワークフローごとに決められ、それ以外は人が適用するまでデータは変わりません
- ワークフローは、データを変えないテスト実行で確かめてから公開できます
Excelや紙で回している業務を、MCPでAIからつなげる業務システムにするところから相談できます。デモでは、実際の業務をその場でシステムにして見せます。
この記事は2026年10月21日時点の公開情報をもとにしています。MCPの仕様と各社の対応は更新が続いているため、最新の情報は各公式サイトで確かめてください。