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ローカルLLM・閉域AI

公開 2026.10.31

ローカルLLMの構成の選び方|完全オンプレミス・国内リージョン+閉域接続・組み合わせ

社外に出せないデータで生成AIを使う構成は、完全オンプレミス、国内リージョンのクラウドに閉域で接続する構成、その組み合わせの3つです。多くの会社は「国内リージョンのクラウド+閉域接続」で要件を満たせます。完全オンプレミスが要るのは、外部と一切つなげない環境や、社外に置けないと決まっているデータがある場合です。データの区分→求める精度→同時に使う人数→運用できる人員の順で決めます。

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構成の選び方が問われるようになった理由

IPAの「情報セキュリティ10大脅威 2026」(組織編)では、「AIの利用をめぐるサイバーリスク」が初めて3位に入りました。AIに渡したデータの扱いが、組織のリスクとして扱われるようになっています。

一方で、「社外に出せないから完全オンプレミス」と決めてしまうと、精度・費用・運用の手間で後から困ることがあります。データの区分ごとに、置き場所を選ぶのが確実です。

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3つの構成

完全オンプレミス国内リージョンのクラウド+閉域接続組み合わせ
データの置き場所社内のサーバー・PCだけ国内のデータセンター(専用の閉域接続)機密のデータは社内、それ以外はクラウド
使えるAIモデル公開されているモデル(ローカルLLM)クラウドの最新のモデルも使える用途ごとに使い分け
精度業務を絞って学習させれば高くできる汎用の業務で高い両方のよいところを取れる
初期の準備GPUサーバーなどの用意が要る比較的少ない中くらい
運用の手間モデルの更新・機器の保守が要る少ない中くらい
向いている例外部と接続できない環境、未公開の設計情報社外秘だが、国内での保管が認められているデータ部署やデータの機密度が混在している

多くは「国内リージョン+閉域接続」で足りる

社内の規程を読み直すと、「社外に出してはいけない」ではなく、「国内で保管し、学習に使われず、通信経路が守られていればよい」と定めている会社が少なくありません。この場合は、国内リージョンのクラウドに閉域で接続する構成で要件を満たせ、最新のモデルを使えて、機器の保守も要りません。

完全オンプレミスを選ぶのは、次のような場合です。

  • 工場・研究所・行政の基幹網など、外部と一切つなげない環境で使う
  • 規程や契約で、データを社外の設備に置けないと決まっている
  • 業務を絞り、学習させた小さなモデルで足りることが分かっている

決める順番

  1. データの区分を決める。「社外に出せない」「国内なら置ける」「外に出してよい」に分けます。社外に出せないデータがなければ、完全オンプレミスの検討は要りません。
  2. 求める精度を確かめる。社外に出せないデータを扱う業務で、公開されているモデルでも精度が出るかを、正解データで測ります。業務を絞れば、学習させたローカルのモデルがクラウドの最先端モデルを上回ることもあります。
  3. 同時に使う人数を見積もる。GPUの規模は、同時に処理する件数で決まります(次の節)。
  4. 運用できる人員を確かめる。モデルの更新、機器の保守、障害時の対応を誰が担うかを決めます。担えないなら、組み合わせの構成で社内に置く範囲を絞ります。

GPUの規模の計算の仕方

GPUに要るメモリは、おおよそ次の3つの合計です。

中身計算の仕方
モデルの重みパラメータ数 × 1パラメータあたりのバイト数(16ビットなら2、8ビットなら1、4ビットなら0.5)
文脈を覚えておく領域(KVキャッシュ)1回に扱う文章の長さ × 同時に処理する件数に比例して増える
余裕実行のための作業領域。実機で測って決める

たとえば300億パラメータのモデルなら、重みだけで16ビットでは約60GB、4ビットに量子化すると約15GBです。量子化すると精度が落ちることがあるため、正解データで量子化の前後を比べてから決めます。

同時に処理する件数は、利用者の総数ではなく、混み合う時間帯の依頼の数で見積もります。1分間に届く依頼の数 × 1件の処理時間(分)が、同時に処理する件数の目安です。1分間に20件届き、1件に30秒かかるなら、同時に約10件です。

最後に、候補の機器で「1秒あたりに出せる文字数」を、同時の件数をかけた状態で実際に測ります。机上の計算だけで機器を決めないことが大切です。

AIエージェントを載せるときに足すもの

AIエージェントは自分でシステムを操作するため、モデルを社内に置くだけでは足りません。総務省・経済産業省の「AI事業者ガイドライン」第1.2版(2026年3月)も、AIエージェントについての記述を加えています。

  • 権限を絞る。業務に要るシステム・フォルダ・操作だけを渡します。
  • 使える道具を決めておく。呼び出せるツールと接続先を許可したものに限り、それ以外の外部通信は遮断します。
  • 戻しにくい操作は人が承認する。登録・送信・削除の前に、担当者の承認を挟みます。
  • 読んだ文書の指示に従わない。メールや書類に紛れた指示で動かないよう、指示と資料を分けて扱います。
  • すべての操作を記録する。誰が何を頼み、AIが何を読んで何をしたかを残します。
  • モデルの更新も社内で。インターネットにつながない環境でも、検証したモデルを決まった手順で入れ替えられるようにします。

社内だけで動かした例

  • 手書き帳票の読み取り:書かれたとおりに読むよう学習させたモデルを社内のサーバーだけで動かし、手書き帳票130枚・7,660項目の完全一致の採点で、クラウドの最先端モデル4つを上回りました(お知らせを見る)。パソコン1台で動くCPU版もあります(お知らせを見る)。
  • 閉域網のPCでのRPA:同梱したローカルLLMで書類の読み取り・分類・要約を行い、決まった手順で入力します。詳しくはインターネットにつながないPCで、RPAに生成AIを使う方法で解説しています。

ジンベイのローカルLLM・閉域AIの構築

ジンベイのローカルLLM・閉域AIの構築では、データの区分を決めるところから始め、3つの構成から要件に合うものを選んで、AIエージェントの権限・承認・記録まで設計します。業務を絞ってモデルを学習させる場合は、ファインチューニングと組み合わせます。

よくある質問

ローカルLLMは、完全オンプレミスでないといけませんか?
いいえ。社外に出せないデータがあり、外部と接続できない環境が求められる場合は完全オンプレミスが向きますが、多くの会社は国内リージョンのクラウドに閉域で接続する構成で要件を満たせます。データの区分ごとに使い分ける構成もあります。
GPUのメモリはどう見積もればよいですか?
モデルの重み(パラメータ数×1パラメータあたりのバイト数)、文脈を覚えておく領域(文章の長さ×同時に処理する件数に比例)、作業用の余裕の合計で見積もります。最後は候補の機器で実際に測って決めます。
同時に使う人数はどう見積もりますか?
利用者の総数ではなく、混み合う時間帯に1分間に届く依頼の数×1件の処理時間(分)で、同時に処理する件数の目安を出します。
ローカルLLMは、クラウドのAIより精度が落ちませんか?
汎用の質問では最新のクラウドのモデルに及ばないことがあります。業務を絞って学習させれば、ローカルのモデルがクラウドの最先端モデルを上回ることもあるため、自社のデータで比べてから決めます。

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出典

最終更新: 編集:ジンベイ株式会社

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