手書き図面の清書で起きていること

現場の担当者が、地図や下地の図面に手書きで記号・名称・距離を書き込み、社内で別の担当者がそれを見ながら清書し直す。申請や報告のために、こうした作業が毎日続いている職場は少なくありません。

  • 清書は1枚ずつ人が作図し直すため、枚数に比例して時間がかかる
  • 同じ内容を、提出先ごとに違う書式で何度も作る
  • 書式ごとに別々に作るため、版によって内容が食い違うことがある

手書き図面が難しい理由

難しさ起きること
崩し字・略記名称や数字を読み違える。書いた人ごとに癖がある
薄い・かすれたスキャン線や記号が途切れ、見落とす
回転・縮尺のずれ下地の図面と位置が合わず、どこに書かれたものか分からない
数字の意味が曖昧距離なのか、写真番号なのか、文脈で判断が要る

文字を読むだけのOCRでは、位置と意味の両方を扱えません。図面の清書には、別の仕組みが要ります。

位置は画像処理、意味はAIに分ける

  1. 下地の図面に重ねる。手書きの図面と下地の図面から共通する特徴を探し、回転と縮尺を求めて、手書きの図面を下地の座標に合わせます。
  2. AIが読む。全体から記号の配置を読み、名称や距離は拡大して読み直します。2回読んで結果が食い違えば、要確認に回します。
  3. ルールで整える。記号の種類ごとの色分けや、線の長さと書かれた距離の食い違いなど、ルールで判定できることはルールで確かめます。
  4. 人が確かめて直す。AIが自信の低い箇所を要確認リストに並べ、人は上から順に確かめて直します。
  5. 決まった書式で出力する。1つのデータから、提出先ごとの書式をそれぞれ出力します。版による食い違いがなくなります。

位置合わせのような幾何の処理は画像処理が、崩し字や略記の意味の読み取りは生成AIが得意です。どちらか一方に任せるより、役割を分けたほうが確実です。

トレースの外注との違い

比べる点トレースの外注AIの下書き+人の確認
作り方人が1枚ずつ描き直すAIが下書きし、人は要確認の箇所だけ直す
枚数が増えたとき時間と費用が枚数に比例する人の確認の手間だけが増える
品質のばらつき描く人によって変わる読み方がそろい、怪しい箇所が記録に残る
書式の追加書式ごとに描き直す1つのデータから書式ごとに出力する
向いている場合枚数が少ない、単発で済む同じ種類の図面が継続して発生する

読み違いを残さない確認の手順

  • 要確認リストを上から見る。AIの自信が低い順に並べ、人はその順に確かめます。
  • 2回読んで比べる。全体を読んだ結果と、拡大して読み直した結果が食い違う箇所は、必ず要確認にします。
  • 意味が曖昧な数字は聞く。括弧付きの数字のように、距離か番号かが分からないものは、推測で埋めずに要確認に回します。
  • 直した記録を残す。人が直した箇所と理由を残すと、読み方の改善に使えます。

始め方

  1. 手書きの図面と、それを清書した図面の組を数件そろえる
  2. 読み取りたい記号・名称・数字と、出力したい書式を決める
  3. 清書との一致を、記号・名称・数字ごとに分けて測る
  4. 要確認リストの出し方と、人が直す画面を決める

ジンベイの図面AI

ジンベイの図面AIでは、手書き・スキャンの図面を読み取り、貴社の書式で清書の下書きを作る仕組みを作ります。インフラ工事の手書き図面の清書では、記号の検出で9割超が清書と一致しました。図面の文字や表の読み取りだけなら、AI-OCR「GenOCR」の図面OCRで足りることもあります。